サクラ179本接ぎ木 後継樹育成事業

update 2007/5/1 13:10

 函館市住宅都市施設公社による「桜後継樹育成調査研究事業」がこのほど、同市内の高松苗圃(高松町130)で行われた。14人の地域緑化アドバイザーと同公社職員が参加。樹木医の斎藤晶さん(73)の指導のもとサクラの接ぎ木作業を行った。

 昨年のこの時期に開催したのに続いて2回目。同公社が管理する函館公園、五稜郭公園、見晴公園のサクラは近年老齢化などの影響で、傷みが激しく、従来の景観が損なわれる恐れがあることから後継樹を育てようと取り組んでいる。各公園の健康なサクラの枝を選んで接ぎ木し、優良な遺伝子を継承することで歴史ある美しいサクラを将来に残すことが狙い。

 ことしは自然交配繁殖が難しいソメイヨシノを中心に179本を接ぎ木した。昨年10月、台木用に植栽した樹木を根元から15センチほどに切り、直径約2センチの切り株に割れ目を入れた。2月に採取した接ぎ穂の枝(約5センチ)を差し込み、ロウを塗り完了。公園ごとにビニールテープで色分けした。

 昨年に続く参加の同市西桔梗町の伏見幸雄さん(66)は「接ぎ木が成功し、元気に成長する姿を見るとうれしい。まるでわが子の成長のよう」と笑顔を見せていた。

 指導した斎藤さんは「成功確率は60%だが、市民の手によってサクラを大切に守り続けることはとても意義深い」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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