元課長に懲役3年…亀田農協1億円盗難

update 2007/4/25 10:21

 函館市亀田農協(昭和4、山岸栄一組合長)の金庫室から現金約1億円を盗んだなどとして、窃盗などの罪に問われた同市西桔梗町、元同農協金融部運用課長で無職今正光被告(58)に対する判決公判が24日、函館地裁で開かれた。岡田龍太郎裁判官は「犯行は計画的で大胆で、農協全体の信用を大きく失墜させた」として、懲役3年(求刑・懲役5年)を言い渡した。

 岡田裁判官は犯行の動機を「競馬や競輪などのギャンブルに金銭を浪費して大きな借金を重ね、その返済に困窮した」と指摘。「先に起こした横領、詐欺事件の発覚を防ぎ、残った借金をまとめて返済しようとした。動機に酌むべき点は見出せない」と断じた。

 窃盗の手口も「職務上警備システムや鍵の保管場所、金庫の暗証番号などを知っていたことを悪用した」と非難。「一度退社するふりをして建物内に舞い戻り警報センサーを解除し、防犯カメラの映像が保存されるハードディスクレコーダーを投棄するなど、罪証隠滅工作にも及び、刑事責任は相当重い」とした。

 判決によると、同被告は昨年12月4日午後7時半ごろから同8時15分ごろまでの間、同農協金庫室内で現金9996万円などを盗んだ。また、同10月24日、同市内の女性(当時78)に架空の国債購入話を持ち掛け、現金約150万円をだまし取るなどした。

 検察側は前回公判(3月30日)で懲役6年を求刑。しかし、判決前に再開された弁論で弁護側が、同被告の家族が約350万円を弁済したことを報告。これを受け、求刑を懲役5年に改めた。

提供 - 函館新聞社



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