函館市長選あす投票、激戦のまま最終局面

update 2007/4/21 16:35

 任期満了に伴う函館市長選と厚沢部、今金両町長選、在任特例終了に伴う函館、北斗両市議選などは22日、投票が行われ、即日開票される。統一選最終ラウンドは、道南で3首長選と11議員選が行われており、いずれも激戦。現職と前助役の対決となった函館市長選は、最後まで両候補が競り合う形で最終局面に入った。4年間のかじ取り役を誰に託すのか、有権者の判断が注目される。

 市政の継続か刷新か。函館市長選は、無所属の現職で3選を目指す井上博司氏(70)と、長年にわたり井上氏を補佐してきた無所属の新人で同市前助役、西尾正範氏(58)が対決する異例の構図。保革新人5候補の中から井上氏が初陣を飾った1999年の市長選と同様、激しい攻防が繰り広げられている。

 井上氏は2期8年の実績から、自民党と民主党道8区総支部が推薦、公明党が支持。ただ、民主党支持者や保守の一部が西尾氏支援に回り、磐石とは言い切れない戦いで、西尾氏の批判には応酬しない態度を貫く。

 北海道新幹線の着工や市町村合併などの実績を訴え、3期目は子育て支援の充実や観光を基盤とした産業振興、市民体育館の移転整備、新幹線時代に対応したまちづくり、行財政改革の推進などを掲げる。市民生活の安定向上と、将来の発展を築く基盤づくりを3期12年の総仕上げとする。

 西尾氏は昨年末、井上氏の市政運営を批判し助役を辞職。福祉施設問題の告発などから市政刷新を訴え、革新系の支持が井上氏より厚い。組織や団体に頼らない「草の根選挙」を掲げるが、水産関連の業界団体が支援に回り、攻勢を強める。

 函館の未来と再生は人づくりから始まるとし、人材育成や子育て支援の充実、教育予算の拡充を掲げる。情報公開の推進や組織機構の再編も公約とし、井上氏の公約である市民体育館の建て替えや市民会館の将来的な改築を「ハコもの行政」と批判し反対する。

 厚沢部町長選は無所属の現職、澤田孝一氏(73)と、無所属の新人で厚沢部町元助役の渋田正己氏(63)による一騎打ち。前回と同じ対決で、澤田氏は健全財政の堅持や給食センター整備の検討などを、渋田氏は1次産業の振興や子育て支援の拡充などを訴える。 今金町長選は無所属の新人で元町議の湯浅秀夫氏(66)と、無所属の現職で2選を目指す外崎秀人氏(57)の対決。

 函館市議選は旧函館区(定数34)に現職27人、元職3人、新人11人が立候補。現職が優勢な選挙戦となっている。旧4町村地区(各定数1)は、戸井区が現職2人、恵山区が現職と新人の2人、椴法華区が現職3人と新人1人、南茅部区は現職2人の対決となり、激戦に加え、市長選への対応で旗色を出している候補もいる。

 北斗市議選は、第1選挙区(旧上磯町地区、定数20)に現職16人、元職1人、新人6人の計23人、第2選挙区(旧大野町地区、定数6)に現職11人が立候補。現職同士の熱戦となった第2区の結果が注目される。

 任期満了に伴う町議選は、渡島が七飯、森、木古内、長万部、檜山が上ノ国、厚沢部、乙部、今金、せたなの計9町で火花を散らしている。

提供 - 函館新聞社



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