函館市長選あす告示、現職と前助役対決へ/市議選函館区は34に41人

update 2007/4/14 13:10

 任期満了に伴う函館市長選と、在任特例の終了に伴う函館市議会議員選、北斗市議会議員選が15日、告示される。午前8時半から函館、北斗両市役所でそれぞれ立候補受け付けが行われ、22日の投票日(即日開票)まで7日間の選挙戦に入る。函館市長選は無所属の現職で3選を目指す井上博司氏(70)と、無所属の新人で函館市前助役の西尾正範氏(58)の一騎打ちとなる見通し。

 定数特例を適用する函館市議選は、函館区(定数34)に41人、各定数1の戸井区に2人、恵山区に2人、椴法華区に4人、南茅部区に2人の計51人が立候補を予定。北斗市議選も今回のみ旧上磯町地区の第1選挙区(定数20)と、旧大野町地区の第2選挙区(定数6)を設置。第1区に23人、第2区に11人が出馬する見込み。

 函館市長選は、現職とかつての側近だった前助役が対決する異例の構図。西尾氏は、井上氏の市政運営の在り方を批判して昨年12月末に辞職。井上氏への批判を強めて政策を掲げ、井上氏は政策論争での戦いを求めている。井上氏が掲げる市民体育館の移転改築などハード事業に対する見解に相違がある。

 井上氏は自民党、民主党道8区総支部から推薦、公明党函館総支部から支持を受けた。ただ、民主党内では足並みが乱れている。2期8年の実績として、北海道新幹線の着工や市町村合併、中央図書館整備、行財政改革による職員730人の削減などを訴える。

 公約の2大柱に「市民生活の安定向上」「将来にわたって揺るぎない繁栄を続けるための基盤整備」を掲げ、新幹線時代に対応した都市づくり、観光を中心とした産業振興、医療助成の小学校6年生までの拡充、市民体育館の移転改築計画、国宝に指定された中空土偶を核とする縄文文化交流センター整備、職員1000人の削減後、継続して500人の削減計画策定―などを挙げる。

 西尾氏は(1)政治倫理や公務員倫理(2)市民体育館移転などのハコモノ行政の在り方(3)人口減少など函館の現状を認識したまちづくり―で対決姿勢を強める。公平・公正な市政執行や、地元政財界情報誌と経済界、議会首脳、市の密接な関係の是正、透明な市政の実現をまず訴える。

 市民体育館の移転や将来的な市民会館の建て替えを「早急すぎる」と批判し、福祉や市民生活に本当に必要な施設を優先する考えを示す。地域の再生と未来づくりは人づくりから始まるとし、教育関係予算の拡大や子育て支援として乳幼児医療助成の拡大、学童保育所の拡充などを挙げる。行財政改革や国際水産・海洋都市構想の推進などは井上氏と同じ。

 函館市議選に立候補を予定する函館区41人の内訳は、現職27人、元職3人、新人11人、戸井区は現職2人、恵山区は現職と新人の2人、椴法華区は現職3人と新人1人、南茅部区は現職2人。

 北斗市議選の第1区は現職16人、元職1人、新人6人、第2区は現職11人の戦いとなる見通し。函館、北斗とも激戦の様相。

提供 - 函館新聞社



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