篆刻家の宮腰善行さん・ヘブライ文字の旧約聖書「創世記」第1章27、28節完成
update 2007/4/13 12:31
ヘブライ文字で記された旧約聖書の「創世記」の篆刻を1996年からライフワークにしている函館市千代台町32の篆(てん)刻家、宮腰善行さんがこのほど、第1章第27、28節を一つにして完成させた。27節の「神は御自分にかたどって人を創造された」は、「創世記」の中で宮腰さんが最も好きな言葉という。「ようやくたどりついた思い」と喜んでいる。
宮腰さんは約20年前の60代のころ、愛妻の京子さんを亡くした。意気消沈していた時、「文字を彫るだけでなく、精神的な物で永遠に残るものを作ろう」と考え、旧約聖書の言葉を作品にすることにした。95年には「モーゼの十戒」を7年かけて完成させ、これに続き「創世記」全50章の制作に入った。
篆刻を始めて約50年。蘇石(そせき)という石を鉄筆で彫る。宮腰さんが取り組むヘブライ文字は、紀元前12―16世紀ごろのもので、トラピスト修道院の神父から、文字の太さや点の打ち方などの指導を受けた。
1節から5節までは2年で完成。その後、半年から1年のペースで1節ずつ彫り続けてきたが、第26節完成から28節を仕上げるまで2年かかった。「文の意味をかみ締め、文字をデザインする大変さはこれまで以上。それほど大切な内容が書かれていて難しかった」。作品のそばにある何枚ものスケッチが苦労を物語る。
全章完成まで先は長い。「与えられた使命だと思い、1節1文字に感動して取り組んでいきたい」と意欲を見せる。
作品は同修道院や国内外の教会、大学に納められている。機会があれば市内のギャラリーで公開する予定。
提供 - 函館新聞社
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