附属中1年・向美乃里 世界4位…アルペンスキー「ウィスラーカップ」KIクラス大回転
update 2007/4/13 12:30
6日からカナダ・ブリティシュコロンビア州で開かれていたアルペンスキーのチルドレンレース世界最高峰の大会「ウィスラーカップ」(FIS=国際スキー連盟公認)で、函館市の向美乃里(ニセコ・ティンカーベル、附属函館中1年)がKIクラス(小学5年生―中学1年)の大回転で、出場96人中日本勢最高の4位と大健闘した。初の海外レースで好成績を収めた向は「次こそ表彰台を狙う」と新たなシーズンに向け早くも意気込んでいる。(岡部彰広)
チルドレンレースは、FISポイントが取得できる15歳より下の世代が対象。ウィスラーカップは将来のオリンピック優勝候補らが集まるビッグタイトルの一つで、今回は世界20カ国から300人以上の強豪選手が出場した。向は3月の「第8回ゴールドウィン ナスターレース チルドレンキッズ ジャパンカップ」(新潟県・苗場スキー場)のチルドレンIクラス(小学5年生―中学1年生)で初出場ながら総合優勝し、出場権を手にした。
ワールドカップにも使用されているあこがれのコースは、初めて見る難コースでもあった。「次のポールが見えないぐらいの急斜面。日本では考えられない。距離もいつゴールにたどり着くのか分からないぐらい長い」。おまけに現地に到着して翌日すぐのレースで、準備万端とはいかなかった。ただ「滑れば何とかなるのでは。頑張ってみよう」と気持ちは前向きだった。
初日のコンビ(大回転と回転の混合)は、大事に滑り過ぎて11位。「がっくりきた」。しかし、気持ちの切り替えが早いのが向の持ち味だ。その反省を生かし、翌日の大回転では積極的な滑りで難コース制覇を目指した。急斜面と緩斜面が切り替わるポイントでスピードがコントロールできず、スキーが“落とされた”状態となったが、3位のアメリカ人選手に0・59秒差の4位に食い込んだ。最後の回転は第10旗門手前で失敗してレースが終わったが「攻めた結果」と、一応の成果を得て海外初挑戦を終えた。
今回の経験は、スキーに対する向上心に一層、火を付けた。上位の外国人選手は身長180センチはあろうかという大型選手ばかり。さらに3種目制覇のニーナ・ツィダー選手(スロベニア)とは、大回転で1秒82の差をつけられた。「大回転は決していい滑りではなかったので、うれしかったけど満足はしていない。それに北海道や日本ではいい成績が残せても、世界ではまだ下の方。だから外国人と戦えるよう頑張ろうと思う。ご飯を食べて大きくなる。そしてもっと努力をしたい」
来年は一つ上のKIIクラスに臨む。「またウィスラーに。今度は…」。1年後にはどこまでたくましくなっているか楽しみだ。
提供 - 函館新聞社
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