道南市町の議員 先月末で8人が辞職
update 2007/4/11 12:13
【北斗、七飯、乙部】今期限りで引退を表明していた北斗市と七飯町、乙部町の議員合わせて8人が、任期を1カ月残した3月31日付で辞職した。地方議員年金制度の改正に伴い、4月以降に退職すると議員年金の給付水準が引き下げられることを理由にした“駆け込み辞職”が、全国的に相次いでいる。しかし、道南の辞職者は「高齢」や「身体の不調」「統一地方選立候補者の応援」を理由に挙げ、駆け込み辞職を否定している。
統一地方選で議員選挙が行われる道南の自治体は2市10町。北斗市と七飯、乙部両町以外では任期満了直前の辞職はなかった。辞職した議員の任期は30日。提出書類ではすべて「一身上の都合」を理由としている。
各自治体議会事務局では、事前に制度改正について議員に説明。一部では3月31日以前に退職した場合と、それ以降の場合とを比較した年金額の試算結果を各議員に通知しており、これが「引き金になった」とみる関係者もいる。
最も多い5人が辞めた北斗市では10日、市議会臨時会で水上務議長が、ほかの議員に辞職の事実を伝えた。同市は昨年2月の合併誕生時、まちづくりの実行力を高めることなどを理由に在任特例を適用。合併前の任期は旧上磯町が2006年2月19日、旧大野町は4月30日。
辞職したのは全員旧上磯町地区の市議で、旧町議長経験者もいた。水上議長は「残念だが、本人の都合であり、詳しい理由は聞いておらず止められるものでもない」と話す。
しかし4月に臨時会が開かれることは、3月中旬には決まっていた。このため同僚市議の中には「なぜ3月末なのか」と疑問視し、制度改正を踏まえた辞職を指摘する声が多い。「住民に選ばれた職なのに議員としての資質に欠ける」「『市の筋道を付けるため』と任期を延ばしたのは言葉だけだったのか」と憤る。
こうした指摘に対して辞職者は、高齢化や選挙活動と説明する。北斗市議の中には「任期が伸びた分も精いっぱい働いたから辞めた。議員年金のことなど頭にないのに支援者に問いただされて迷惑」と怒りをあらわにする人も。「体の不調」を挙げる辞職者は「以前から不自由で、議会事務局と相談して決めた」という。
また、「理不尽な制度改正に対する抗議の意味もある」と、減額を意識した議員も。ある議会事務局は「制度改正の時期を議員の都合を考えて任期で切らず、年度で切る方法が悪い」と国の手法を批判する。
なお、3月31日付で辞職した議員は次の通り。
◇北斗市=塩清氏(76)▽里村幸喜智氏(72)▽阿部清氏(77)▽谷杉正寿氏(82)▽熊谷孝泰氏(73)
◇七飯町=秋田ハチエ氏(81)▽冨原喜八郎氏(76)
◇乙部町=菊池晴一氏(66)
提供 - 函館新聞社
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