函病の入院・外来未収金、2億8400万円 回収不能
update 2007/4/6 10:46
外部監査による函館市の「歳入項目の収納事務および債権の管理」に関する報告書がまとまり、市に提出された。2005年度までの市立函館病院の入院・外来費の未収金のうち、2億8400万円が06年度末で時効となり、回収不能となる可能性が高いことなどが指摘された。報告を受け、市は07年度中にも債権管理体制の確立を目指す考え。
報告書によると、入院費の未収金件数1282件のうち、入金額が0円の件数は05年度で1151件。このうち金額が1万円までは359件、1―5万円は430件と、請求額が少額のケースが大半を占める。このため包括外部監査人の鎌田直善会計士は、未収金発生の理由を「必ずしも患者の経済的理由に帰するものではない」と判断。
入金が一度もない入院・外来の未収金額は1995年度―06年11月末で約6億円。判例で公立病院の診療債権の消滅は、時効の中断がない限り3年と解釈されているため、05年度中に2億2500万円が回収不能となった可能性があると指摘している。未収金は、04年度約7100万円、05年度約9000万円で、すべてが回収不能とした場合、08年度末で回収不能見込額は累計4億3000万円に上る見通し。
同病院では休日(土・日曜、祝日)に退院する患者が全体の3割で、会計業務が休みのため、後日請求書を送付。退院当日に請求書を発行していないことが未収金をつくる原因の一つとし、徴収の徹底を求めている。鎌田会計士は「場合によっては診療券の自動受付停止などの措置も考えられるはず」と話す。
生活保護費返還金収入や国民健康保険事業特別会計など、全9項目に対し、計165件の指摘、意見を付けた。市税の項目では、滞納者の動産差し押さえ実績がないと指摘。不動産を差し押さえた場合、登記上に記録が残るため、「自動車の差し押さえを導入すれば、けん制効果は高い」(鎌田会計士)と助言する。
監査結果について小柏忠久総務部長は「負担の公平性を確保しなければならない。早急に改善するよう、全庁で総合的な債権管理体制を07年度中に確立できるよう検討したい」と述べた。
包括外部監査は中核市や政令市に義務づけられ、函館での実施は05年度に続き2回目。専門的、独立的立場で、信頼性、透明性の高い監査を実施している。
提供 - 函館新聞社
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