自民8区候補定まらず…福田首相退陣
update 2008/9/3 18:23
福田康夫首相の退陣表明に伴い、新しい首相が早期に衆院解散・総選挙へ踏み切る可能性が出てきた。衆院道8区で民主党は、現職の逢坂誠二氏(49)=比例道ブロック=の擁立を決めているが、自民党はことし3月に公認候補となる前支部長が辞任し、新支部長が決まっていない。地元保守政界や支持層からは「早期に候補者選考を」との声があるが、順調に進まない事情もある。
自民党道8区支部は4月、次期衆院選候補を決める選考委員会(委員長・川尻秀之道議)を発足。当初、現職の杉村太蔵氏(29)=比例南関東ブロック=と、東京在住の政策コンサルタント、高松智之氏(34)の名前が他薦で上がったが、擁立は消えた。杉村氏は道1区から出馬する意思を伝え、この後、川尻委員長が「選考候補がもう2人いる」と選考委で説明。高松氏はこうした選考過程に不信感を強め、仮に支部長候補に推されても受諾しない意向を川尻委員長らに伝えた。
退陣表明を受け、川尻委員長は「事実関係を把握した上で、慎重に候補者を選考したい」との意向で、候補者選考は川尻氏と8区の今津寛暫定支部長(党道連会長)に一任されている。
自民党8区は1996年の総選挙から、民主党に小選挙区4連敗を喫している。次期衆院選には前回と前々回、自民党公認で出馬し落選した佐藤健治氏(51)が保守系無所属で出馬する準備を進めている。地元の保守政界事情に通じている函館市内のある企業経営者は「佐藤氏の問題が解決されない限り民主党に勝てないし、現在、候補となり得る人物はゼロ。このままでは保守系代議士がいない政治空白期間をさらにつくることになりかねない」と懸念する。
経済界も候補擁立へ積極的になれない事情がある。森町の官製談合事件で逮捕、起訴された函館市内の2人の人物が、政治経済活動を通して親しい関係にあり、別の経済人は「この問題が片付かない限り、経済界は動けない」と指摘する。
自民党にとって不戦敗は避けなければならず、8区保守政界の迷走が続く。
提供 - 函館新聞社
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