本社東京 拠点は中部…エアトランセ
update 2008/8/30 14:37
地域コミューター航空会社のエアトランセ(函館市高松町)の江村林香社長が29日、函館市役所で記者会見し、11月に本社を東京都新宿区に移転することを発表した。所有機のメーン駐機場所を中部国際空港(愛知県常滑市)とすることも明かし、新規航空事業に乗り出した2005年からわずか3年余りで、本社機能を置いた函館を離れることになった。
会見で江村社長は、現在主力となっているチャーター便事業の利用客の約8割が首都圏在住者であることに言及した上で、本社移転の理由を「関東を中心に営業活動を強化することで、好調なチャーター便事業の潜在需要を掘り起こし、効率的に利益を上げたい」と説明した。
函館にある事務所や格納庫は当面残し、運航管理や機体の整備などを行う運航基地としての機能を存続させるため「道内からの撤退ではない」と強調。「道外の客を多く道内へ呼び込むことで函館に還元していきたい」と述べた。駐機場所の移転については「(中部は)国内の中心で、全国各地を飛ぶチャーター便にとっては便利」とし、今後は中部国際空港を拠点に機材を運用していく考えを示した。
事業開始から約3年半で函館を“離陸”する一因となった財政面については「定期便事業に想定より経費がかかり、巨額な負債を抱えてしまった。経営者として勉強不足だった」と弁明。今後は「お客様に便利な移動手段を提供できれば、航空事業にはこだわらない」とも語った。
同社は05年3月、18人乗りの小型機を使って函館―帯広線で運航を開始。道内地方路線などを次々に開設したが、利用客の伸び悩みが響き、昨年11月までにピーク時は5路線あった定期便事業から撤退、現在はチャーター便に特化した事業を展開している。
提供 - 函館新聞社
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