10期ぶり下方修正…函館財務事務所4―6月期の経済概況

update 2008/8/22 12:16

 函館財務事務所(寺井順一所長)は21日、4―6月期の経済概況に関する「道南経済レポート」を発表した。企業の生産活動が一部で高水準にある一方、個人消費が「足踏み状態」から一段と厳しい「弱含み」となったほか、雇用や企業倒産も前年より悪化しており、総括判断を「一部に動意がみられるものの、総じて停滞している」と10期ぶりに下方修正した。

 個人消費は食品スーパー(4社)の売上高が新規出店効果で前年同期比3・9%増となったが、大型小売店(7社)は消費者の慎重な購入姿勢に加え、低温で夏物衣料を中心に動きが鈍く、同8・7%下回った。新車販売台数は全体で同1・3%増と横ばいだったものの、レンタカーの新車登録台数を除くと前年割れとなり、人口減や若者の車離れがうかがえる。

 観光面では青函航路のフェリーが2船体制となった高速船就航効果で同25・1%増の9万8731人と好調を維持。ホテル、旅館の宿泊者数は道外のツアー客が減少したものの、JR函館駅前のホテル利用のビジネス客の増加で同1・9%増と前年をやや上回った。

 航空機による来函客数は関西空港便の利用減が響き、全体で同4・3%減の21万8550人。ただ、チャーター便は同22・9%増の好調ぶりで、「台湾客が定期便のある韓国客の約2倍に上り、国別シェアの大半を占めている」(同財務課)という。JRはダイヤ改正で函館―札幌間の特急が1往復減便されたことから同7・2%減の20万5000人と前年割れだった。

 住宅建設は貸家が同21・4%増と前年を大幅に上回ったが、持ち家、分譲とも減少し、全体では同3・3%減と落ち込んだ。生産活動は需要の高まりなどから造船や木材・木製品など一部が好調に推移。企業倒産は件数、負債総額、1件当たりの負債額のいずれも前年を上回り、建設業の倒産が約半数を占めた。雇用情勢は有効求人数が同15・0%減と大幅に減った。

提供 - 函館新聞社



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