交付税、道南全市町で増加 地方再生費新設で好転

update 2008/8/16 13:24

 国から受ける本年度の普通交付税の配分額が15日、決まった。渡島管内11市町の総額は599億3800万円で、前年度比2.5%増。檜山管内7町の総額も175億9400万円で同3.6%増となった。中央と地方の税収格差を是正する地方再生対策費の新設により、道南全市町で増加となった。昨年度、約13億円減少した函館市は316億8300万円で、同1.2%増と持ち直した。

 渡島・桧山支庁によると、全国で約4000億円の地方再生対策費の新設や、後期高齢者医療制度の施行による高齢者保健福祉費の増額などで交付額が増加した。

 函館市は前年度と比較し3億7000万円増加した。市財政課は「地方再生対策費で5億6000万円を見込んだ。分析が必要だが、経常的な経費の削減が予想よりも少なかった。行財政改革を進めている点などが評価されたのではないか」と話す。渡島支庁によると、災害復旧費の増加なども要因にあるという。

 北斗市は前年度実績より1億3000万円、森町は2億4800万円、八雲町は1億4000万円それぞれ増加した。函館市とともに、市町村合併による有利な積算(合併算定替え)が適用された。

 鹿部町は中学校の学級数増加なども要因。福島町は交付税で措置される過疎対策事業債の償還費が増加したことも要因にある。

 桧山管内では、4.3%増となった上ノ国町が交付税措置される臨時財政対策債の償還費の増加で配分が増えた。6.5%増の乙部町は行革による行政経費の縮減成果が反映された。

 一方、交付税の不足分を起債(借金)で賄うことができる臨時財政対策債は、道南全市町で一律6.3%削減された。普通交付税と臨財債を加えた額が実質的な交付税収入となり、函館市の場合は総額340億5100万円で、実質的な伸び率は0.6%増、額で2億1000万円の伸びにとどまる。

 普通交付税、特別交付税、臨時財政対策債を加えた全国の交付税総額は、18兆2000億円。2003年度に23兆9000億円あったが、三位一体改革の影響で減額が続き、昨年度は17兆8000まで落ち込み、本年度で5年ぶりに増加に転じた。

提供 - 函館新聞社



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