道議選告示・市民ら願いさまざま

update 2007/3/31 10:56

 道議選が告示された30日、道南でも各選挙区で各候補が第一声を上げ、舌戦を繰り広げた。格差社会が叫ばれる昨今、地方では景気回復の遅れや人口減少、医師不足など多くの課題を抱える。出陣式に駆け付けた支持者や選挙カーを見つめる市民からは、医療・福祉の充実や雇用対策などさまざまな願いが聞かれた。一方で「選挙には関心がない」という若者の声もあり、投票率の低迷が懸念されている。

 候補の演説を聞いた函館市深堀町の男性会社員(36)は「格差社会の中で弱い人に目を向ける政治が必要。人口減少が続く函館市では活性化に向け、子どもへの手厚い助成や地域活動の支援を充実させてほしい」と注文。七飯町中野の主婦(32)は「子どもが病気になると仕事を休まなければならず、育児中の母親の就職支援制度を望む」と話した。

 函館市東雲町の男性会社員(44)は「中央依存だった地方自治体が自立するための体制づくりが求められる。道新幹線の開業を見込んだまちづくりや高齢社会への対応など、各候補の政策を参考にしたい」と見極める。

 声を張り上げる候補たちとは対照的に、冷めた若者の姿も。ある候補の出陣式に参加した同市内の男性会社員(25)は「勤め先に行けと言われて来たが、あまり興味はない。景気が良くなり遊ぶ場所や仕事が増えればいいが、今回も投票には行かないだろう」。

 こうした関心の低さを心配する声もある。投票日には93歳の母と近所の70代女性と投票に行くという同市陣川町の主婦(59)は「知人や近所の人たちから『誰が当選しても同じ』との声もあり、選挙への関心は少し落ちているように感じる」と指摘。「せっかくの1票を無駄にしないよう投票を呼び掛けたいが、主婦同士では選挙の話がしづらいこともある」と表情を曇らせた。

 同市堀川町の団体役員の男性(72)も「周囲の関心は低い。投票率(前回は函館市区で57・27%)が極端に上がるとは考えにくいが、今後の盛り上がり次第だろう」とみる。「今回、地元から候補が出ないので少し残念」という森町森川、無職の男性(73)の声も。

 高齢化が進む中、福祉政策の充実を求める声とともに、有権者自身も選挙権の行使で願う政治の実現を図るべきとの声もあった。函館市石崎町の無職の男性(79)は「函館は4人に1人が高齢者の町。お年寄りがもっと積極的に政治に関心を持たなければいけない」。

 候補を選ぶ基準では、七飯町大沼、団体職員の男性(35)は「政策や人柄を見る。地域から道議の働きがいまひとつ見えないので目に見える政策、活動をしてほしい」と注文を付けた。函館市柏木町、女性会社員(57)は「行動力と粘り強さを重視したい」と話し、選挙カーを見つめていた。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです