亀田農協1億円窃盗初公判、被告に懲役6年を求刑
update 2007/3/31 10:55
函館市亀田農協(同市昭和4、山岸栄一組合長)の金庫室から現金約1億円を盗んだとして、窃盗などの罪に問われている同市西桔梗町、元同農協金融部運用課長で無職の男(58)に対する初公判が30日、函館地裁(岡田龍太郎裁判官)で開かれた。検察側は「金庫室を開けられることを悪用し、帰宅するふりをして建物内に潜むなど犯行は計画的で巧妙。被害金額は大きく、農協の社会的信用を失墜させた」として、懲役6年を求刑して結審した。判決は4月24日に言い渡される。
検察側は冒頭陳述で、犯行の経緯や手口を明らかにした。「仕事で金庫の開閉や警備装置の設定を何度もしたことがあり、金庫のダイヤル番号のメモを職場の机のマットにはさんでいた」と、業務で知った情報で犯行に及んだと指摘。計画したのは犯行数日前で、身を隠すつもりだった2階にいる同農協幹部が忘年会で早く退出する日を選んだとした。
犯行時、警備会社からの電話に「忘れ物を取りに来た」と答えたため、怪しまれないよう店舗のシャッターを開けたり、事務室の電気をつけたりする偽装工作をしたことも明らかにした。盗んだ現金は、320万円を抜き出して自宅裏の畑に埋めたが、借金返済や趣味のレースばと購入などに使い、再び1月1日ごろに約250万円を掘り返したなどと詳述。
被告は起訴事実を認めた。ギャンブルや住宅ローンで約4290万円の借金があり、返済が追いつかず顧客の貯金を横領、穴埋めのために犯行に及んだとし、「そういう(金融関係の)仕事をしていたので、家族らに借金のことを相談できなかった。農協には非常に迷惑をかけた」と述べた。
論告などによると、被告は昨年12月4日午後7時半ごろから同8時15分ごろまでの間、同農協金庫室内で現金約9996万円などを盗んだ。また、昨年10月24日、同市内の無職女性(当時78)に架空の国債購入を持ち掛け、現金150万円をだまし取った。
提供 - 函館新聞社
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