漁業者、支援は「前進」…政府の燃料高騰対策で渡島

update 2008/7/30 10:04

 政府が28日に発表した漁業燃料の高騰に対する支援対策に対し、渡島管内の漁業関係者からは「前進」と受け止める声がある一方、依然とした先行きの不透明感から慎重な言葉も聞かれた。29日には七飯町で道議会水産林務委員会(岡田俊之委員長)の委員を迎えた要望会が行われ、渡島管内漁業協同組合長会(山崎博康会長)から支援対策の要望書が提出されるなど、一層の事態打開に向けた活発な動きもみられた。

 函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉)で6年ぶりに行われた同委員会の要望会には、委員会メンバー9人と渡島管内の14漁協関係者ら18人をはじめ約50人が出席。山崎会長は「これまで漁業者自らが操業見送りや省エネ対策などに取り組んできたが、燃料高騰が収まる見通しの無い状況ではすでに漁業経営は限界に達している」とし、「緊急対策として、漁業経営への影響緩和に直接効果のある新たな事業や予算措置を講じてほしい」と訴えた。

 岡田委員長は「厳しい状況の中で道の主要産業である漁業を振興させていくためにも、委員会として積極的に道や国に対して働き掛けていきたい」と答えた。

 今回政府が示した支援策の総事業費は745億円だが、このうち燃油代の高騰分の補てんに充てられるのは80億円とされている。山崎会長は「政府が具体的な支援策を示したことは大きな前進と受け止めている」としながらも、「燃料補てんに対する予算は思ったより少なく、現状を乗り切れるのか不安も大きい。来月5日に予定している全道漁業協同組合長会で、今後の対応について協議を進めたい」と話していた。

 函館市漁協では「今回の政府案については正式な説明会が行われるまではコメントできない」とし、「15日行った一斉休漁などの効果が現れたのではないか」と話している。

提供 - 函館新聞社



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