木古内高校存続問題、道教委の回答を町が放置

update 2008/7/29 11:55

 【木古内】公立高校適正配置計画で道立木古内高校(木古内町木古内)の2010年度の募集停止を打ち出している道教委が昨年10月、募集停止時期の先延ばしを求めた町に対し、「時期延長は困難であると考える」と回答していたにもかかわらず、町側がこうした道教委の意向を町議会、存続を求める町民団体などに一切伝えていなかったことが28日分かった。この間も存続運動は展開されており、函館新聞社の取材に対し、「木古内高校の存続を求める会」の近藤攻会長は「初めて聞く話で驚いた。まずは情報の共有が必要ではないか」と指摘。町議も含め、地域住民から町の姿勢に不信の声が出ている。

 同日の町議会総務・経済常任委員会(吉田忠義委員長)で町が報告。委員からは「なぜもっと早く報告しなかったのか。この半年ほどの存続活動に重大な影響を及ぼしかねない」「われわれが今まで何をやってきたのか分からなくなる。地域ぐるみで存続を求めようとしているというのに水を差す事態」と猛反発。町議側は9月の定例会で一連の問題を一般質問で取り上げる構えを示した。

町は「試算に時間が掛かり、事務処理上の遅れが原因で公表が遅れた」とし、小林敏明副町長は「(公表が)遅くなったことは申し訳ない」と謝罪した。大森伊佐緒町長は出席していなかった。

 町は道教委に「(町立化に向けた)各種資料収集のためには時間が必要」と募集停止の時期の先延ばしを求めた。これに対し、道教委は昨年10月5日付で、定員や通学区域内の中卒者の状況などを総合的に勘案し、「時期延長は困難」との見解を示していた。

 これを知らされていなかった「求める会」の幹部はほぼ毎月、道教委側の見解を把握しないまま、道の関係者らに陳情を続けていたという。

 吉田委員長らは「昨秋の時点で募集停止は決定的だったのでは」と追及。一部議員も取材に対し、「議会としても音頭を取って地域一丸で解決に臨もうとしたが、町からは『いまのところおとなしくしていただきたい』という話だった。情報もなく、議会として動きたくとも動ける状況ではなかった」とする。

 まちの重要な懸案事項の一つである木古内高校存続問題で、道教委の回答が“放置”されたとも受け取れる状況になったことについて、大森町長は「町民に不信感を与える事態になったとすれば素直に謝りたい」としている。町は「地元中学生らの進路選択にかかわる重要な問題。子どもたちの家族も含め、少しでも不安が払しょくできるように努める」とし、10年度の募集停止を視野に入れつつ、年内にも町立にするかどうか判断する考えを示している。

提供 - 函館新聞社



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