園児もスミレも元気に育って…日吉幼稚園 鉢植えプレゼント
update 2008/7/26 18:54
来年の春も、スミレの花で幼稚園を思い出してね―。本年度で閉園する函館日吉幼稚園(函館市日吉町4、外山信子園長)は25日、同園玄関前に群生していたスミレの花株を全園児10人にプレゼントした。花は7年前に当時の園児の祖母が自宅から移植し、その後教諭らが大切に育ててきたもの。この日は1学期の終業式も行われ、園児らはたくさんの愛情が詰まった鉢植えを大事そうに受け取り、持ち帰った。
市内では園児数の減少を理由に、同園と函館万年橋幼稚園(溝口幸司園長)の本年度での閉園が決まっている。
スミレは2001年、当時同園に通う孫の横山怜央君(13)の送り迎えをしていた市内日吉町の横山鈴子さん(70)が「玄関前の花壇がきれいになれば」と、約70株を自宅から持ち寄って植えた。花株は年々増え、毎年4月ごろには淡青色の小さな花が満開となり、道行く人や園児らの目を楽しませていた。
4月に市内の市立幼稚園から同園に転任した外山園長は、01年当時に同園で教頭として勤務しており、「幼稚園の思い出の1つになれば」とプレゼントを企画。教諭らが園児の人数分の鉢に植え替え、夏休み前に渡すことにした。
教諭から鉢を受け取った干場詩乃ちゃん(5)は「うれしい。早く花になってほしい」と笑顔。母親の知佳さん(39)も「春に咲く花を見ていたので、家でもきれいに咲かせたい」と話していた。
外山園長は「ちょうど来春の入学時期に咲くはずで、子供たちにはこのスミレのように元気に育ってほしい。幼稚園がなくなっても、この花で心がつながっていけば」と説明。同園の取り組みを聞いた横山さんは「ささいなことだったけれど、喜んでもらえてうれしい」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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