選考偽装 談合の温床に…森町談合 逮捕から一週間
update 2008/7/23 15:44
【森】森町が2005年9月に発注した町消防防災センターの建設工事入札をめぐる談合事件で、落札した共同企業体(JV)の東急建設(東京)札幌支店、地元の星組渡辺土建などの業者幹部ら6人が偽計入札妨害(談合)容疑で逮捕され、22日で1週間が経過した。道警捜査二課や道警函本捜査課、森署などは湊美喜夫町長(79)を含めた町主導の官製談合の疑いもあるとして、慎重に詰めの捜査を進めている。同町では、同センターの建設工事入札の手続きに必要な選考委員会を開いていないにもかかわらず、会議の議事録を偽造して委員会開催を装っていたことも判明、「談合の温床」ともいえるずさんな業者選考の実態も明らかになってきた。
同課などは関係者の事情聴取などで、官製談合を示唆するような供述も得ており、今後の捜査は湊町長ら町側の関与が焦点となる。
森町入札参加者指名選考委員会(選考委)は森町財務規則に基づいて委員会規定が定められている。選考委は副町長を委員長に、総務、建設、農林などの関係課長や建設課技術長ら7人で構成。委員長が招集し、過半数の委員出席で成立する。入札参加者の指名選考について審議し、業者選考調書を作成することになっている。
同センターの入札の選考委は05年9月1日に開かれたことになっているが、実際には開かれていなかった。しかし、選考調書や会議の議事録上では、東急建設・星組渡辺土建などの5JVを選定した事実が記載されていた。
選考委の委員長でもある阿部眞次副町長や片野滋総務課長は議事録偽造の事実を認めた上で、「05年は旧砂原町との合併もあり、例年と違う業務に忙殺されていた。書類のすべてに目を通すことはできない。恥ずかしい話だが、偽造に気がつかなかった」と釈明する。
関係者によると、他の入札でも選考委を開かず、架空の議事録などを作成し、開催を装った事例が数件あるとみられる。片野総務課長は「(偽造書類は)当時の建設課長の指示でつくられたものだと職員から確認している。07年4月以降は、入札ごとに選考委が開催され、適正に実施している」という。
05年当時、同センター入札の選考委にかかわる立場だった元町職員は、4月に警察からの任意の事情聴取を受けた際、初めて議事録の存在を知ったという。函館新聞社の取材に対し、この元職員は「議事録は、見たことも読んだこともなかった。初めてあることを知った」としている。
道警は、同町が指名入札の際に、同様の手口で後付けする形で書類を偽造する行為が恒常化していたとみて、談合の事実とともに、町の関与も含めて実態解明を進めている。
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湊町長は22日、午前8時半過ぎに役場に着いた。午前中は公務で農業委員会に出席したほかは、執務室から出ることはなかった。午後零時半過ぎに退庁し、職員の車でリハビリのために七飯町内の病院へ向かい、午後6時すぎごろ、自宅に戻った。
提供 - 函館新聞社
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