国内最大「毎日書道展」近代詩文書…鈴木さん最高賞
update 2008/7/22 11:31
毎日書道会と毎日新聞社が主催する国内最大級の「第60回毎日書道展」の最高賞「会員賞」に、市立函館高校教諭の鈴木大有(だいゆう、本名・孝徳)さん(50)が選ばれた。作品は近代詩文書で、出身地で眺めていた大雪山連峰をテーマにした詩。鈴木さんは「私の原風景の書で受賞はうれしい。指導者としてこれからの責任の重さを感じる」と話している。
鈴木さんは1957年、上川管内剣淵町で生まれた。港町にあこがれて道教育大函館校に進み、そこで書を始めた。高校教員として活躍する中で精進を重ね、創玄書道展で東京都知事賞を受賞、日展では過去4年で3回入選している。旧函館北高勤務時は、旧函館東高との統合に関する作業の忙しさの中でも作品づくりを続けてきた。
毎日書道展は93年に会員となった。同展は今回、公募、会員、18―23歳を対象としたU23の合計で過去最高の3万2352点の応募があった。会員からは2545点、うち近代詩文書は漢字に次ぐ641点を数えた。受賞作は本道の歌人入江好之の「大雪山連峰」。太く題名を書き、細字で詩の「山巓は紺青の空に咲く非情の花か 氷雪をきらめかせて冷徹にそそりたつ 私は限りなくこの山を愛する死を思うまでも 夜明けの大雪山は孤高の中に眠っている」が書かれている。
鈴木さんは「故郷の原風景を思いながら筆を走らせた。詩が題名に覆いかぶさるようにし、最後は文字を小さくして余韻を出した」とし、「私の身近にある言葉だからこそ字面の表現が良くなり、自分の心が作品になった」と話す。
函館在往で、毎日書道会漢字部門審査会員の千葉軒岳さん(70)も鈴木さんの受賞を喜び、「函館から会員賞を獲得できる人を輩出したく、応援していたので、(60回の)節目の年の受賞はうれしい限り。彼はこれまでも自身の原風景の作品をしたためていたが、今回の受賞作は集大成といって良い」としている。
鈴木さんは「(この賞は)最終的な目標だった。感無量の気分」とする一方、「これからが大切。私の使命である現代書の探求と普及、これからの書を担う高校生の育成のため、その責任がさらに重くなったと思っている」と話している。
提供 - 函館新聞社
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