はこだて街なかプロジェクト「みてあるきマップ」完成

update 2008/7/21 14:33

 中心市街地の再生に取り組む函館市内のNPO法人はこだて街なかプロジェクト(山内一男理事長)が、西部地区の歴史を物語る建築物や跡地などを紹介する「はこだて街なかみてあるきマップ」を完成させた。建築様式やその時代背景に焦点を当て、観光マップにはない情報を発信。見て歩いて函館を知ってもらおうと、市内全小学校の5、6年生に配布する。希望があれば同法人メンバーが案内役となって小学生の“街並み探検”にも同行する。

 同法人は昨年度から現地調査や関係者への聞き取りなどで情報収集し、民家や公共施設、跡地など140件を抽出した。この中から、比較的知られている物件を中心に「四角いマンホール」など建築物以外も含む29件を選定し、特徴などを写真付きで説明。和・洋風、和洋折衷などの建築様式、歴史的建築物の利活用事例、函館大火の教訓や外国文化の影響を受けた物件が、ジャンル別に一目で分かるよう記号も表記した。

 マップ裏面の地図には、建物の位置やかつてあった学校などの跡地、旧町名を掲載。弁天砲台跡については、マップの表に砲台を築くのに土を掘った穴「壁穴」があったとされる場所も併せて示すなど、歴史の関連性も伝える。

 山内理事長は「建物が造られるのには何かのきっかけがあり、経済、文化、外交など時代を表す要素が建築様式などに反映されている。実際に建物を見て、そこに秘められた歴史も知ってもらいたい」とPR。今後は「建築様式」「利活用」などジャンル別に切り口を変えた内容で続編を発行することも考えている。

 A2判12折りサイズで7000部発行。夏休みの自由研究に活用できるよう22日ごろ、各小学校に配る。一般には20日から市地域交流まちづくりセンター(末広町4)、市中央図書館(五稜郭町26)、市郷土資料館(末広町19)でも配布している。

 問い合わせは同法人(建築企画山内事務所内)TEK0138・55・8138。

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