道南15漁協 一斉休漁
update 2008/7/16 14:23
燃油価格の高騰に苦しむ窮状を訴えるため、全国の主要な漁業団体が15日、一斉休漁した。道南地域でも渡島管内の14漁協とひやま漁協の合わせて15漁協が休漁。渡島管内の漁業関係者約150人は函館市内で「漁業経営危機突破渡島漁民大会」(渡島管内漁業協同組合長会主催)を開き、政府に向けた「燃油価格暴騰対策に関する決議」を採択した。
全国規模の一斉休漁が行われるのは今回が初めて。同日早朝の函館市水産物地方卸売市場(豊川町21)には、前日夜から漁が行われていたマイカは通常通りに入荷。それ以外の魚種に関しては前回の競り(13日)の入荷量の約半分にとどまったが、価格が上昇するなど大きな変動は見られなかった。
同市場の仲買関係者は「入荷量は少なかったが、1日限りの休漁なので特に大きな影響はなかった。16日はマイカの入荷がないので市場内はさびしい雰囲気になるのでは」と話していた。
この日午前11時から函館水産ビル(豊川町11)で行われた渡島漁民大会では、政府に対し燃油価格高騰への補てん措置などを求める決議を採択した後、「国は漁業を守れ」などのシュプレヒコールで会場はヒートアップした。市内でイカ漁を行う若松淳一さんは「これまで経費節減のために努力を重ねてきたがもはや限界。休業や廃業に追い込まれる漁業者が続出し、函館の特産品であるイカが姿を消すのも時間の問題。政府には安心して漁業に専念できる施策を期待したい」と訴えていた。
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函館市内のスーパーや小売店では、事前に休漁が告知されていたためか目立った混乱はなかった。道南地域に24店舗を展開するスーパー魚長では、15日販売分を事前に確保していたため、地元産のカレイやズワイガ二など旬の魚が並んだ。大塚英俊鮮魚課長は「(市場が休みとなる)通常の週末と同じ対応で問題はなかった」としながらも「今後も休漁が繰り返されると、入荷量が減り価格にも影響が出てくる」と懸念する。
一方、一斉休漁のニュースが客足に影響したケースも。本町市場(函館市本町31)で鮮魚店を経営する男性も事前の仕入れを増やして対応したが、「いつもよりも客足は少ない。今日は店頭に魚が無いと思っているのだろうか」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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