2次救急受け入れ制限から3カ月、夜間の軽症患者 大幅減

update 2008/7/16 14:23

 南渡島医療圏(2市7町)の2次救急医療機関に指定されている函館市内の9病院が、「ウオークイン(重症以外の患者)」の夜間受け入れを制限して3カ月が過ぎた。軽症患者の時間外受診が減少し、1次救急の市夜間急病センター(白鳥町)の利用が伸びるなど、それぞれ本来の役割を取り戻しつつある。ただ、医師不足が深刻な小児科医の過重労働は解消されないままで、小児救急を担う病院では綱渡りに近い状況が続いている。

 「薬が欲しい」「鼻水が出た」など時間外受診の必要度が低いにもかかわらず、夜間に直接自家用車で来院するウオークイン。受け入れ制限はこうした軽症患者の増加を受け、2次救急病院で常態化している勤務医の過重労働を緩和し、地域の救急体制を維持する措置だ。

 4月から午後8時―午前零時、6月以降は午後5時―午前零時に拡大して原則、軽症患者の受け入れを制限。これに伴い、同センターが6月から診察開始時間を30分前倒しして午後7時半―午前零時に対応している。

 制限時間帯の受診状況は同センターが4月1272人(前年同月比84人増)、5月1447人(同336人増)、診療時間が30分拡大した6月は1457人(同475人増)と増加。同センターは「本来、2次救急病院へ行く必要がなかった軽症患者が来るようになり、適正に利用されるようになった」とみる。

 一方、2次救急病院全体で4―6月の合計が494人。2・3次救急患者を受け入れる市立函館病院(港町1)では、制限時間帯以外を含むウオークイン総数は4―6月の合計で1537人(前年同期比2729人減)と約3分の1まで減少した。吉川修身院長は「ウオークインが減り、当直医の負担軽減に効果があった」とするが、「受診が少ないのは季節的な要因も考えられ、まだ当直体制を見直すまでに至っていない」と話す。

 函館中央病院(本町33)でもウオークインがほぼ半減したが、水上晋・小児科長は「制限時間帯の負担は軽くなったが、午前零時以降や休日の状況は変わらない」とする。24時間体制の新生児集中治療室(NICU)を抱え、若手小児科医は当番日と合わせて月7、8回以上の泊まり勤務をこなす。勤務時間は36時間に及ぶことも。

 山田豊副院長は「医師不足が解消しない以上、長期的に見て今の状況を続けるには無理がある」と窮状を訴える。「子どもの症状に合わせて対処方法を示したフローチャートなどで受診の目安を知ってもらい、必要ない受診を減らしてもらわなければ」と指摘。各病院の小児科医らが横断的に印刷物などによる啓発も検討しているという。

提供 - 函館新聞社



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