木古内鶴岡小駅清掃に感激、元車掌の荒井さんが鉄道グッズ学校に展示

update 2008/7/15 14:33

 【木古内】木古内鶴岡小学校(上平敏和校長、児童17人)の児童たちは、校舎隣にあるJR江差線「渡島鶴岡駅」の待合室のボランティア清掃を1964年から続けている。この活動が「鶴岡小の伝統」として函館新聞などで紹介されて以来、同校には地域住民らから子どもたちの努力をたたえる声が相次いで寄せられている。同線の車両に車掌として乗っていた函館市内の元国鉄職員、荒井幸生さん(75)もその一人。感謝の気持ちを伝えようと、自身が収集した鉄道関連グッズ約5000点を持ち込み、同校ロビーで展示会を開き、子どもたちと交流している。

 同駅待合室は1964年に地元有志が駅利用者の休憩所にと設置。当時の同校児童が設置直後から清掃活動を始めた。現在でも毎週木曜日の放課後になると子どもたちがぞうきんやバケツなどを手に駆け付け、約30分間かけて丁寧に掃除する。一連の活動が評価され、1980年に旧国鉄道総務局長から奉仕活動の感謝状を受けている。

 こうした活動を報道で知った荒井さんが展示会を企画した。上平校長は「皆さんからの励ましの言葉が何よりも子どもたちのプラスになる。やる気と成長を支えてもらっている」と話す。

 荒井さんは1953―63年、同線で車掌として勤務していただけに、子どもたちの活動に感謝する気持ちは人一倍強い。来校時には上平校長とともに待合室を訪れ、同室内の大学ノートに記された「皆が掃除してくれるからいつもここはきれい。ありがとう」「こういう駅がもっと増えればと思う。これからも頑張って」といった利用者の声も確認し、あらためて感動したという。

 作品展は、国鉄勤務時代から趣味で集めた鉄道関連品の一部。青函連絡船入浴券や巨人軍の王貞治選手ホームラン世界記録達成記念乗車券など貴重な品がずらり。荒井さんは児童一人一人に収集品の中の記念カードをプレゼントした。休み時間になると、展示場所に子どもたちが集まってくる。上平校長は「好きな子はずっと見ている」と笑う。

 6年生の松田健太郎君(12)は「昔の雰囲気と汽車の歴史を学ぶことができる」、福田早妃さん(11)は「昭和の記念乗車券は独特の色がきれい」と目を輝かせる。荒井さんは「子どもたちの活動は本当に立派。今後も鶴岡小を応援していきたい」と話している。

 展示は23日までで、一般にも開放している。問い合わせは同校TEL01392・2・4366。

提供 - 函館新聞社



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