「市民のためのがん治療の会」医療講演会

update 2008/7/13 10:26

 がん患者を支援する市民団体「市民のためのがん治療の会」(本部・東京都国立市、會田昭一郎代表)の医療講演会が12日、市立函館病院(函館市港町1)で開かれ、市民ら約200人ががん治療の現状について理解を深めた。

 同会は、放射線治療で舌がんを克服した會田代表が「最適な治療方法、専門医を見つけるためのシステムを作りたい」と、がん治療の専門医らに呼び掛け、2004年に発足。全国各地でがん治療にかかわる講演会を開いており、函館での開催は初めて。

 同会の創立メンバーの1人で、北海道がんセンター(札幌)の西尾正道院長をはじめ、市立函館病院の医師らがそれぞれの立場でがん治療の現状や提言などを述べた。

 西尾院長は、がんを根治しても、再発や転移する可能性があることを示したうえで、「がん治療は最初が肝心。がんが発症した場合、専門医の適切な治療を受けてほしい」と呼び掛けた。また、国内のがん対策の問題点にも触れ、「医師不足の中で低医療費政策が続けば医療現場は崩壊する。将来、安心した医療が受けられるよう、国民が声を上げていく必要がある」と述べた。

 同病院の喜多村圭放射線治療科科長は放射線治療の現状について解説し、「コンピューター制御された装置でがん病巣に正確に放射線を照射できる。痛みや負担も少なく、体の機能や形態を温存しながら社会復帰できる」と効力を強調。ただ、がん治療先進国の米国では放射線治療の利用率は高いのに対し、国内では外科医による手術が主流で、放射線治療は低い状況。喜多村科長は「専門医が500人程度しかいない。放射線治療に対する誤解もあり、周知を進めていく必要がある」とした。

 2年前に咽頭(いんとう)がんを患い、西尾院長の治療で克服したという函館市内在住の大坂晴義さんが闘病時を振り返り、「放射線治療を30回受けたが、苦痛はなかった」と話した。

提供 - 函館新聞社



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