自治基本条例、住民投票どう盛り込む
update 2008/7/12 13:32
来年度からの施行を目指し策定作業を進めている函館市自治基本条例に、住民投票制度をどう盛り込むか、議論が始まる。自治基本条例は市民参加や住民協働が大きな柱となるため、制定したほとんどの自治体で住民投票に関する条文を設けている。函館市もその方向で、住民投票を実施する場合の細かい規定まで条文化するかが議論の中心になりそうだ。
自治基本条例に住民投票に関する条文を盛り込んだとしても、すぐに投票が実施できるわけではない。住民投票条例の制定が必要で、一般的に住民が首長に直接請求する場合、有権者の50分の1以上の署名を集め、条例の制定を求める。これを受け、首長が議会に条例案を提出し、可決されると投票実施となる。
近年では合併前の旧大野町の住民有志が2005年1月、796人の署名(法定の必要数176人)を添え、当時の上磯町との合併について、住民の意思を把握する住民投票条例制定を請求したが、同2月の臨時町議会で否決された。
市行政改革課によると、今年4月現在で自治基本条例を制定している全国26市で、条例の中に住民投票を規定しているのは25市。帯広市まちづくり基本条例では「選挙権を有する住民は、法令の定めるところにより、住民投票を規定した条例の制定を市長に請求することができる」と、地方自治法で定められている内容を条文化している。
一方、神奈川県大和市の自治基本条例では、住民投票を請求できる対象を「満16歳以上」、大阪府岸和田市は「定住外国人を含む住民のうち18歳以上」など、自治法の内容以上のことを規定した。
住民投票をしなくても有権者を代表する議会がある、との声もあるが、住民投票はあくまでも議会制間接民主主義を補完し、住民の意思を把握するための制度であるとされている。投票結果に法的な拘束力はないが、一般的に首長や議会は結果を尊重しなければならない。
住民投票 市町村など地方自治体の将来を左右する重要な事項に対する住民の意思を把握する投票制度。住民が署名を集め首長に直接請求する場合と、首長や議会が投票条例を提案するケースがある。1996年に新潟県巻町で、原子力発電所建設をめぐり初めて行われた。
提供 - 函館新聞社
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