支庁再編に留萌市容認、存続運動 結束にひび
update 2008/7/12 13:32
【江差】道の支庁制度改革で振興局に格下げになる留萌市の高橋定敏市長が10日、再編容認を表明した。対象の4支庁のうち再編受け入れは初めて。支庁廃止阻止の結束にほころびが生じる中、江差・日高管内浦河の両町と根室市は、存続運動を継続、道との対決姿勢を堅持する構えだ。3市町が“最後のヤマ場”に位置付ける公選法改正阻止に向けた運動は、参院で過半数を占める“野党頼み”とならざるを得ず、与野党の壁を乗り越えた地域や住民の結集が大きな課題として浮上している。
道は14支庁を9総合振興局に再編するが、14支庁と35の市・区からなる道議会議員の選挙区は現状を維持する。このため、選挙区を支庁単位と定める公選法の改正が必要だ。改正後でなければ、道議会で可決した「総合振興局設置条例」は施行できない。道は構造改革特区を活用、法改正前にも条例を施行したい意向だが、総務省は難色を示している。
国は8月の臨時国会に法案を提出する方針だが、参院は、民主、共産、社民などの野党勢力が過半数を確保。民主党北海道の鉢呂吉雄代表ら複数の国会議員は法改正に反対の意向で、支持基盤の連合北海道も働き掛けを強めている。
しかし、衆院解散をにらむ民主党や労働組合と一体化した運動は「もろ刃の剣」(自民党関係者)と懸念する声もある。保守系の首長や住民の拒否反応も根強い。住民の1人は「野党の党利党略にどこまで踏み込んでよいのか」と戸惑いを隠さない。道議会では自民党議員会長も務めた高橋留萌市長も、以前から野党や労組と一体化した運動には否定的だった。
道議会の民主党会派は、支庁再編への賛否がまとまらず、採決で全員退席したこともあり「どこまで信じてよいのか」(労組関係者)との声もある。存続運動の先行きは「楽観視できない厳しい道のり」(江差町)になることは確実だ。
高橋知事と道町村会など、地方4団体との関係修復は難航気味だが「野党と一体化した運動は政治色が濃すぎる。方針決定も容易ではない」(ある町長)との声もあり、4団体の去就にも注目が集まっている。
提供 - 函館新聞社
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