函館市臨海研究所16日から「モース」の資料コーナー開設
update 2008/7/12 13:31
東京の大森貝塚を発見したことで知られる動物学者エドワード・モース(1838―1925年)の資料コーナーが、函館市大町13の市臨海研究所2階メモリアルホールに開設され、訪れた市民や観光客の目を引いている。モースは貝類の専門家で、東京帝国大学教授を務めていた1878(明治11)年の夏、北海道・函館を訪問。当時の函館船改所の一部を借りて実験室とした。その場所が現在の臨海研究所だ。
函館市在住で「モースの見た北海道」の著書がある鵜沼わかさん(69)や、神奈川県藤沢市の広崎芳次さん(79)=野生水族繁殖センター代表、前江ノ島水族館館長=らから著書や関係資料、論考集などの展示協力を得た。16日から8月15日までは1階交流ホールで、モースの略年表や著書、北海道研究旅行の足跡、モースが函館で採集したとみられる貝類などを加えた特別展を開く。
臨海研究所と鵜沼さんによると、モースは当時の東京帝国大学の植物学教授、矢田部良吉ら8人で本道を訪問。函館では開拓使が蒸気船や実験室、宿泊所などを用意し、研究に当たった。著書「日本その日その日(邦訳)」には函館船改所や街角のスケッチなどを残している。
鵜沼さんは北大水産学部医務室の元看護師で「モースが着任したころ、動物学を講義するにも標本がなかった。そのため矢田部とともに魚や貝、ウナギなどの標本採集に訪れた。130年前も現在も、標本を集めるという学問の作業は変わらない」と話す。
同研究室を訪れた市民らはモースと函館の関係を知るなど、新しい知識を得ている。
提供 - 函館新聞社
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