倒木被害 対策不十分…NPO法人・市に要望書

update 2008/7/11 12:25

 函館市亀田中野町の市有地などが昨年1月に発生した強風で倒木の被害を受けた後、河畔林としての再生が不十分だとして、NPO法人「北の森と川・環境ネットワーク」(影山欣一代表理事)は10日、市に対して早期の問題解決などに関する回答を求める要求書を提出した。

 同NPOが問題視するのは、新中野ダムの手前約1`の一帯で、市水道局が管理する水源涵養(かんよう)保安林2・56fと一部民有地。昨年1月の強風でスギやトドマツ約3500本が倒れ、同局は倒木処理のために500―600万円を投じて、木を再生したウッドチップを保有林内に敷き詰めるなどの対策を講じてきた。

 ことし5月中旬には、市内の団体が市民ボランティアとともに、エゾヤマザクラの成木を沿道に植えたのをはじめ、倒木した跡地の一部1・5fに、ミズナラやブナなど4種類の広葉樹の苗木約1600本を植樹した。ところが、同NPOが6月下旬に実施した調査では、ブナの約90%が枯死しているという。

 この日水道局を訪れた影山代表理事は、倒木撤去や植樹に伴う事前の調査不足や認識の甘さを指摘。「今からでも、初歩的な調査に基づいた手順を踏んでほしい」とし、いまだに山積みで放置されている根や枝などの適切な処理、自生する幼木・稚樹の保全、今秋予定の植樹中止などについて、17日までに文書で回答するよう求めた。

 同局の天満茂夫事業部長は「早く撤去しなければならないことを優先し、考えが及ばなかった。今後は様子を見ながら、少しでも改善できるよう努めていきたい」と弁明。影山代表理事が口頭で求めた市民ボランティアへの説明と謝罪については、「中間報告として伝えることでフォローしていきたい」とした。

提供 - 函館新聞社



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