医療ミスで右腕マヒ…函館市病院局
update 2008/7/9 13:47
函館市病院局は8日、市立函館病院(港町1)が渡島管内在住の30代の男性に行った手術で、右肩から右腕全体がまひする後遺症が残る医療ミスがあったと発表した。病院局は男性に謝罪し、3日に同院医療事故賠償額としては過去最高の8292万9651円を支払うことで示談が成立した。
同日、井上芳郎病院局長らが会見し明らかにした。
市病院局によると、男性は昨年4月、全身麻酔と鎖骨上部からの局所麻酔を施した上で、頻繁に脱臼していた右肩の関節形成手術を受けた。術後にまひが残ったためリハビリ治療したが症状は改善せず、同院が原因を調べたところ、米国で同様の事例があることが判明。麻酔の薬液が何らかの理由でくも膜下腔(くう)に入り神経損傷を起こしたと推察された。その後、同院が客観的な評価を得ようと、保険会社を通じて求めたセカンドオピニオン(第2診断)もほぼ同様の見解を示した。
賠償額は保険会社の算定に基づき男性と話し合って決定。9月に開会予定の市議会定例会に関連議案を提案し、議決後に支払う。賠償額は保険で賄う。男性は右利きで、勤務する会社には現在も務めている。
同院は昨年10月の「日本臨床麻酔学会第27回大会」に同事例を報告し、全国の麻酔医に注意を促した。吉川修身同院長は「男性への麻酔方法は一般的なもので、このような事故になったことは非常に珍しい」とした。
提供 - 函館新聞社
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