中華会館 公開スタート…4年ぶり

update 2008/7/6 11:52

 清朝末期の中国式建築物として、国内で唯一現存する函館中華会館(函館市大町1)が5日、4年ぶりに一般公開された。四川大地震の被災者を支援しようと、8月16日までの期間限定で開館し、入館料の一部を義援金に充てる。初日は観光客や、再開を待ちわびた地元住民ら約200人が観覧に訪れた。

 一般公開は、入場者の減少や建物の老朽化、日中関係が一時悪化したことなどを理由に2005年から休止。四川大地震を受け、被災者救済に協力しようと急きょ開館が決まった。同館を管理する社団法人「函館中華会館」(陳上梅理事長)は入館料の半分を寄付する考えで、館内に募金箱も設けた。

 同館は1910(明治43)年、函館在住の華僑が出資し、中国から技術者を呼び寄せて建造した、くぎを1本も使わない純中国式レンガ造りの平屋。正面には中国最強の神として華僑が厚く信仰する三国志の英雄「関羽」をまつる関帝壇があり、訪れた人は金ぱくや漆を用いた華やかな飾り付けや調度品に見入っていた。来館者からは「毎年公開するのか」などの問い合わせもあり、家族と初めて訪れた七飯町に住む無職の男性(63)は「歴史を感じさせる貴重な文化財だ。もっと人目に触れる機会が増えれば」と話していた。

 正午から午後4時半まで。入場料は一般600円、高校生300円、小中学生200円。問い合わせは同会館TEL0138・22・5660。

提供 - 函館新聞社



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