「地方切り捨て」懸念の声…開発局統廃合で江差町

update 2008/7/5 10:55

 【江差】福田康夫首相が開発局の廃止に言及したことをめぐり、14支庁を9総合振興局に削減する条例案が可決され、来年4月には桧山支庁が出張所に当たる「振興局」に格下げされる江差町では「地方切り捨ての風潮が一層強まる」(ある経営者)と懸念の声も上がっている。

 町内には、函館開発建設部の出先機関として、江差道路事務所(22人)と江差港湾事務所(12人)がある。飴谷逸男副町長は「開発局でも出先機関の統廃合が進めばダブルパンチになる。官公庁の撤退にも拍車が掛かる」と懸念する。

 函館市をはじめ、開発建設部がある地域が、開発局廃止に伴う影響を懸念していることに、打越東亜夫町議会議長は「国や道と直結した出先機関が無くなることで、地域の要望や現場の声が届かなくなるのは共通の課題だ。支庁再編、道州制、開発局の統廃合は一体の議論が必要だ。支庁再編だけが突出すれば、地方を大混乱させる」と語る。

 道経済連合会(道経連)などの経済4団体が、開発局の廃止は道内経済に悪影響を与えるとして、反対姿勢を示したことに「経済団体は、地方分権が進むとして支庁再編に賛成した。火の粉が降りかかると騒ぎ始めた。本道全体の発展を考える視線が無いのでは」(商工業者)と厳しい意見も。町幹部の1人も「地方分権には反対ではない。財政再建や産業振興を進めて自立するには時間が必要と訴えてきた。経済団体の言葉と支庁存続を求める市町の意見が似通っているのは皮肉な巡り合わせ」と冷ややかだ。

 一方で「支庁が残る地域では、支庁再編に無関心だったり“地域エゴ”として批判的だった。開発局廃止による影響を懸念する声も高まっているが“切り捨てられる”立場になれば、われわれの苦渋も理解できるはず」(関係者)との恨み節も聞かれる。

提供 - 函館新聞社



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