開発局統廃合、函館でも驚きや不安
update 2008/7/3 10:49
政府が2日、北海道開発局の統廃合を検討する考えを示し、同局の出先機関・函館開発建設部がある函館地域でも関係者から驚きや不安の声が広がった。渡島支庁の幹部は「あくまでも考え方が示されただけであり、今は推移を見守ることしかできない」としながら、「仮に廃止となれば、開発局の仕事の多くが道に移譲されることになり、その場合の予算確保は明確にすべき」と語った。
道職員や地元選出道議からは、道が開発局職員の受け皿となる可能性が大きいことについて「専門的知識の高い開発局職員が入ってきた場合、現在の道職員と待遇面などでうまくバランスが取れるだろうか」「二重行政との声がある中、予算や権限、人員、補助率などをどうするかという整理すべき課題が多い」との声も聞かれた。
開発局の整理により公共事業費削減が一層進むことが予想されるが、函館建設業協会は「現在は政府の動きを見守っている状態。協会として今後どのような動きをしていくかは現時点では答えられない」と困惑する。
開発局の出先機関である函館開発建設部の本年度の事業費予算は約331億円で、対前年度当初比7%減。このうち道路整備が約185億円で全体の55・9%を占める。主要事業は函館新外環状道路など高規格幹線道路の整備、函館港などの整備、大野平野地区のかんがい排水事業などがある。
開発予算は道内市町村の社会資本整備をリード。函館市の場合、本年度当初予算の国直轄事業では港湾事業が26億7900万円、空港事業が8億2200万円となっている。本年度着工した旧函館ドック跡地の岸壁改修に5億8500万円、継続事業では湾岸道路の整備に13億1700万円などがある。
谷沢広副市長は「函館開発建設部は国の機関に直結した組織で、現場を直視して予算化、事業化している。地域のインフラ整備に大きな役割を果たしており、今後も組織や機能を維持してもらいたい」と話し、情報収集を急いでいる。
北海道開発局 旧北海道開発庁の実施機関として1951年に設置。2001年の中央省庁再編に伴い、国土交通省の地方支分局となった。河川、道路、港湾、空港、農業、漁業の整備などを行う総合行政機関。08年度予算の総事業費は約6100億円で前年度当初比3・5%減。職員数は5648人。道開発局の下部組織として道内11の開発建設部がある。
提供 - 函館新聞社
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