道南5月の金融経済動向、「さらに弱まっている」 

update 2008/7/3 10:48

 日本銀行函館支店(服部誠弘支店長)は、5月の道南地方の金融経済動向を発表した。造船など生産面が堅調に推移し、外国人客の増加から観光客の入り込みに持ち直しが見られた半面、原油・原材料高の影響で個人消費や住宅投資、貿易などの低調さが増しており、景況判断を前月までの「足踏み感が強い」から「さらに弱まっている」と11カ月ぶりに下方修正した。

 生産は造船が国内外の好調な需要で高操業を続けているが、国際的な携帯電話やデジタル家電向け受注の伸び悩みから増勢がやや鈍化した。水産加工や飼料・魚油などの食料品は「食の安全」意識の高まりに伴い、輸入品から国産品への需要シフトがあり、一部で持ち直しの動きが続いた。

 観光は台湾からの外国人客が好調なものの、国内便の低迷で函館空港の乗降客数が15万人(前年同月比4・2%減)と2カ月ぶりに前年割れ。主要ホテル20社の宿泊客数は相次いで新規開業したホテルに利用客が流れ、15万8400人(同6・1%減)と3カ月連続で前年を下回った。五稜郭タワーや函館山ロープウェイは桜の開花が早かったことや大型連休後半の天候不良などでいずれも前年割れとなった。

 個人消費は石油製品や食料品の価格上昇を受け、消費者心理の慎重化が目立つ。特に衣料品や日用品など高額商品を中心に買い控えの傾向が進み、主要小売店10社の売上高は54億300万円(同4・8%減)で、前年からの下げ幅が拓銀破たん直後の水準にまで低下した。新車登録台数は普通・小型車が620台(同13%減)と5カ月ぶりに前年を下回った。

 住宅投資は所得環境の悪化から新規住宅着工数が持家、貸家で低迷していて、全体では138戸(同34%減)と4カ月連続で大幅な前年割れ。函館港の貿易は堅調な船舶を除き、総じて頭打ちの傾向が強まり、輸出入とも大幅に前年を下回った。

提供 - 函館新聞社



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