サミット控え警備強化、厳戒体制

update 2008/7/1 09:53

 北海道洞爺湖サミット(7―9日)の開幕まで1週間―。主会場(胆振管内洞爺湖町)から約170キロ離れた函館市内の駅、空港などでも多くの警察官が出動し、警備体制が強化され、物々しい雰囲気に包まれている。道警函館方面本部警備課は「会場から離れているとはいえ、油断はできない。いかなる事態にも対応できるように、万全な態勢を整えたい」とする。厳戒ムードの市内に観光客からは困惑の声も聞かれるが、多くは「安全のために仕方がない」との認識のようだ。サミット目前の市内の様子を探った。

 東日本フェリーのフェリーターミナル(港町3)では30日午前、普段は見慣れない「神奈川県警」と記されたパトカーが目を引いた。道警函本警備課によると、同県警と愛知県警からの応援部隊がサミット終了まで市内に滞在するという。

 青森からのフェリー到着時間になると、多くの警察官が出動し、下船する車両や乗客に目を光らせている。函館海上保安部の職員は出港するフェリーに乗り込み、不審物チェックを実施している。

 函館空港でも警備体制は強化されている。ターミナルビルを管理する函館空港ビルデングは6日から10日までの間、空港内のコインロッカーの使用を禁止し、国内線ビル屋上の送迎デッキも閉鎖する。東京に向かう途中の同市内の女性(55)は「サミットが間近なので警察官が多くいるのは知っていた。安全のために警備をし、安心して飛行機に乗れるのだから、ありがたいと思う」と話した。

 警察や関係機関による事前のテロ対策訓練を入念に実施したJR津軽海峡線では、1日から青函トンネルを通過する全列車に警察官が乗り込み、警戒に万全を期す。JR函館駅は6日から、駅員の目に付きやすい場所以外のごみ箱を撤去し、不審物の放置に備えるという。

 ただ、こうした緊迫感に戸惑う市民、観光客もいる。宮城県仙台市から観光で訪れ、JR函館駅に着いた女性(58)は「多くの警察官がいて物々しく、少し緊張した。サミットが始まるので仕方がないですが…」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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