ごみ収集車火災防げ!片手で簡単 缶の「穴あけ器」開発 来月から使用

update 2008/6/30 09:46

 ガスが入ったままのカセットボンベやエアゾール缶が原因となるごみ収集車火災を防ごうと、函館市環境部は、スプレー缶の「穴あけ器」を開発した。ごみとして出された傘の部品などを再利用した仕込みづえのような構造で、片手の一押しで簡単に缶に穴を開けられる。手作業で約50本を作り、7月2日の「燃やせないごみ」収集から使用を始める。

 ごみ収集車の車両火災は、カセットボンベや整髪料などのエアゾール缶(スプレー缶)の内容物が入ったまま収集された場合に、ごみ同士の摩擦で発した火花が引火して起こる。函館市内では繊維やプラスチックの一部を「燃やせるごみ」に分別するようにした2005年度から急増。05年度15件、06年度16件、07年度18件と年々増え、本年度は6月下旬までの3カ月弱で既に7件発生した。

 同部はこれまで「缶中のガスを使い切ってからごみに出して」と呼び掛けてきたが、火災の増加傾向に歯止めがかかっていない。日本エアゾール協会(東京)の調べによると、ごみとして出されるこうした缶の約6%は中身が残っているという。収集車火災は収集業務に支障を与えるだけでなく、作業員にも危険を及ぼす。

 車両火災に頭を悩ませていた車両整備担当の寺谷哲治主査が開発を担当した。寺谷主査は「傘を眺めていたらひらめいた」と言い、傘の柄と軸の先端に直径5_ほどの針を仕込んだ。安全策としては、ジャンプ傘のばねを利用し、上から圧力をかけたときだけ針が出るような工夫も施した。燃やせないごみの収集車は委託車両を含めて21台で、全車両に各2本ほど備える。

 同部清掃事業課は「車両火災を1件でも減らしたい」と期待する一方、「市民への啓発方法を工夫するとともに、今後もできることから取り組んでいく」と話している。

提供 - 函館新聞社



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