支庁再編条例案が可決
update 2008/6/29 11:40
【札幌】第2回定例道議会は会期を1日延長した28日未明、14支庁を9総合振興局と5振興局に再編する、総合振興局設置条例案を自民・公明両党の賛成多数で可決した。道は江差町など支庁廃止地域の猛烈な反対を押し切り、条例成立にこぎ着けたが、与党会派の自民党では3人の造反を招いた。高橋はるみ知事は来年4月の条例施行に向け、廃止地域の理解を求めていく方針だが、関係市町との関係修復は容易ではない。廃止地域を対象にした振興策の具体化や条例の施行期日を左右する公選法改正をめぐる国会審議でも厳しい対応を迫られそうだ。
江差町など支庁廃止地域から駆け付けた傍聴者約60人が注視する中、本会議での採決は28日午前4時20分ごろに始まった。賛否が割れた民主党は会派分裂を避ける苦肉の策として、議員40人が全員退席するという異例の展開となり、与党側から「採決の責任を尽くせ」との声も上がった。
採決では、自民党の石塚正寛(留萌市)、藤沢澄雄(日高管内)、松浦宗信(根室市)の3氏が党議拘束に反して反対。3氏は「処分は甘んじて受ける。道案がベストという答えは今なお見いだせない」と述べた。
道は来年4月の条例施行を計画。支庁を振興局に格下げする檜山、日高、根室、留萌の4地域では、道職員の削減に伴う打撃を考慮し、当初案では3年で段階的に進めるとした、職員削減と支庁機能の縮小を5年に延長する。4地域の産業振興などを目的に、1年間で数億円規模となる財政支援も5年程度継続する。
本会議後に記者会見した高橋知事は、「改革の第一歩をを踏み出した。4地域とは早急に対話を始める」との考えを示した。しかし、条例施行まで10カ月。不信感が頂点に達する関係市町村の合意を得ながら、振興局の組織編成や新たな地域振興策、支援財源の確保、総合振興局への業務や職員の集約に至るプロセスなど、山積する懸案の処理には困難も予想される。
また、道議会議員の選挙区は、都市部と14支庁の所管区域で区割りしているが、支庁再編後は、総合振興局が支庁に位置付けられ、振興局は出張所扱いとなるため、現行選挙区の枠組みを維持するには、公選法の改正が必要となる。総合振興局設置条例の施行期日も法改正を待って定めるとしている。だが、民主党など野党が過半数を占める参議院では、道の要望通りに法改正が進むかは微妙な情勢。
江差町などでは、国会審議を支庁再編問題の“第2ステージ”に位置付ける動きもあり、公選法改正が新たな火種となる可能性もある。
提供 - 函館新聞社
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