地域資源活用型産業実践セミナー 高齢者の奮闘で地域再生

update 2007/3/27 12:18

 【上ノ国】上ノ国町女性団体連絡協議会(古館丸子会長)主催の「地域資源活用型産業実践セミナー・女性の元気が未来を拓(ひら)く!『自分らしさ』を生かした産業づくり」が25日、町総合福祉センター「ジョイ・じょぐら」で開かれた。同町内で農漁業などに携わる女性を中心に町内外から約300人が参加し、地元の農水産物などの活用法に考えを巡らした。

 講師は、徳島県上勝町の第3セクター「いろどり」の横石知二副社長。山深い上勝町の人口は約2000人。半数が65歳を超える過疎の町だが、四季折々の“葉っぱ”を資源として注目し、料理に彩りを添える「つまもの」の生産を高齢者を中心に展開。全国シェア8割を誇るビジネスに成長しており、過疎地の再生モデルとして注目されている。

 横石氏は「高齢者が携帯電話やパソコンを使い、時間と情報を自分のものにしている。高齢者の器用さ、知識、根気に若者はかなわない。豊かな自然がありバアちゃんばっかりの町だからできる仕事がある。人は誰でも主役になれる」と、再生の原動力になった高齢者の奮闘ぶりを紹介。「80歳を過ぎても一生懸命にモミジの種をまいているおばあちゃんは『自分の夢をまいている』と言います。何歳まで頑張れるか、子や孫が後を継いでくれることを信じながら種をまいているんです」と力説した。

 その上で「75歳から事業に参加したおばあちゃんは以前、自分の代で家が途絶え、畑も荒れて地域に迷惑をかけると案じていた。しかし、今では子供が町に帰り孫も生まれ、家族と楽しく暮らしている。住んでいる人に笑顔があれば地域に誇りが生まれる。一歩踏み出すことで必ず幸せはつかめる。上勝と上ノ国はいつも上を向いて頑張ろう」と語り、農林水産資源を生かして、新たな地域おこしを模索している町民に熱いエールを送った。

提供 - 函館新聞社



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