国内初のアワビ?痕…豊崎B遺跡でアスファルト塊出土
update 2008/6/26 23:10
NPO法人・函館市埋蔵文化財事業団(佐藤一夫理事長)は25日、同財団が発掘する函館市豊崎町の豊崎B遺跡で、アワビとみられる貝殻痕が付いたアスファルトの塊(366グラム)を出土したと発表した。縄文時代後期後半(3200―3500年前)の集落跡から見つかった。佐藤理事長は「南茅部が交易や技術の中心地だったことを裏付ける貴重な資料」としている。
同事業団によると、2枚貝とみられる貝殻痕があるアスファルトの塊は1995年に青森県実吉遺跡で発見されているが、アワビとみられる痕は国内で初めて。豊崎Bの周辺ではこれまで、豊崎N遺跡で742グラム、磨光B遺跡で2350グラムと860グラムのアスファルトの塊が見つかっており、南茅部地区では4個目の出土となる。
今回の塊は3日に見つかり、最大値は長さ13.7センチ、幅9.8センチ、厚さ5.2センチ。貝殻痕の反対側には動物の皮と思われるしわ状の模様があり、揮発を防ぐために皮と貝で包んでいたと推測され、当時の輸送状態もうかがえるという。
道内でこれまで出土したアスファルトの塊の産地は、秋田県、新潟県、サハリンの3カ所。南茅部で以前に見つかった3個は秋田産だが、今回の塊の産地は今後調査する。当時アスファルトはやじりの固定材などとして使われ高価な物だったため、佐藤理事長は「一度南茅部に来てから分割して道内各地に運んだ可能性がある」とする。塊は半固形状態のため乾燥しないように処理を施し、将来的には市民に公開したい考え。
提供 - 函館新聞社
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