昨年度 給食費未納630万円…函館市内公立小・中学校
update 2008/6/25 09:53
函館市内の公立小・中学校の昨年度の給食費の未納額が計約630万円に上ることが、24日までに分かった。徴収率は99・28%で「道内の主要都市としては高い」(市教委)が、未納の保護者対応を任されている学校では滞納対策が進まず、「教育現場で対応するのはもう限界」との声も出ている。未納率は学校ごとに異なるが、献立は市内各ブロック単位で決めており、収納額との調整のためにブロックや学校間で食材に差が出たり、おかずの分量が減ったりするなどの影響も出ている。食材の高騰なども直撃し、献立調整のやりくりに追われる給食関係者は悲鳴を上げている。
給食費は学校給食法で原則保護者負担と定められ、市内は学校単位で徴収している。献立は栄養教諭が考え、年度末に徴収額に見合うよう食材などで調整している。
市教委によると、昨年度の給食費未納額は小学校で約301万円、中学校で約329万円。小学校で約1万3744食分、中学校で約1万1792食分相当になる計算だ。過去5年間の徴収率は03年度が99・14%、04年度99・27%、05年度99・33%、06年度99・26%と推移している。
学校現場では滞納者に対し、督促状を出したり、教頭らが家に出向いて理解を求めたりしているが、解決は難しいのが現状。中には、納付能力があると思われるのに支払う意思がない親や、催促した学校側に怒りをぶつける親もいるという。複数の学校関係者は「子供への影響も考えると、教員が取り立てるのは教育的に良くないのでは」と漏らす。
未納は献立にも影響している。小麦や乳製品など原材料の相次ぐ値上げ、中国産から国産、道産への切り替え促進などを背景に、市内のいくつかの小学校では既に4、5月で数十万円の赤字が出ており、ある給食関係者は「今後は果物の分量減や豚肉の部位の変更などでやりくりしたいが、ことしは特に見通しがきかず、未納があると調整のしようがない。給食の質の低下を招きかねない」と危機感を募らせている。
こうした状況について、市教委保健給食課の紫前雅夫課長は「函館市の給食会計は学校長が徴収義務を負う形とし、校務の一環として学校側に協力をお願いしている。給食運営そのものに支障をきたすと判断した場合には、自治体としての対応も検討する」と話す。
渡島管内では北斗市が2月、滞納者に対して函館簡裁に「支払督促」を申し立てる法的措置に踏み切ったほか、全国的には自治体が滞納者の給与の差し押さえを行う強制執行などの事例もある。
提供 - 函館新聞社
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