「テアトル シネマ」26日で閉館
update 2008/6/24 14:41
函館市松風町15の「テアトル シネマ」(石黒貴之社長)が26日の営業を最後に閉館することが、23日までに分かった。全国的な成人指定映画の制作不振に加え、道南経済の低迷や医療費・年金問題など社会保障の不安定化から、高齢化する固定客の足が遠のいたことなどが理由。市内映画館で唯一、昭和時代から52年間にわたり営業を続けていた老舗劇場が、また一つ姿を消す。
テアトルシネマは1956年、「近代テアトル」として松風町内でオープン。当初は邦画の2番館(封切り後の次に上映する映画館)としてさまざまな作品を上映していたが、日活の制作路線変更に伴い、75年ころから成人映画専門となった。98年に現在地に移転し劇場名も改称した。
同映画館によると、全国的な成人映画低迷などを背景に映画会社の制作本数が減り、十分な上映作品を用意しにくくなった上、大門地区の集客力の低下なども重なり、閉館を決めた。年間の売り上げはピーク時の91年に比べて6割程度にまで落ち込んだという。今後の土地と建物の利活用については未定。
3代目となる石黒社長(43)は「閉館は残念だが、長い間支えてくれたファンの皆さんに心から感謝したい。この映画館の存在をいつまでも覚えてくれるとありがたい」と話している。これまでの愛顧に感謝し、最終日は鑑賞料金を1000円とする。
市内の映画館は全盛期に25館を数えたが、テレビやDVDの普及などで年々観客が減り、それに伴い劇場数も減少した。テアトルシネマの閉館で、「シネマ太陽函館」と「シネマアイリス」の2館となる。
提供 - 函館新聞社
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