厚沢部消防署が「妊婦エントリーネット119」本格化
update 2008/6/23 10:03
【厚沢部】厚沢部消防署(本田久署長)は、緊急時に妊婦を救急車で搬送するため、出産予定の医療機関や母体の情報などを事前登録する「妊婦エントリーネット119」の登録を今週から本格化する。同消防署によると、渡島・檜山管内の消防署では初めての取り組みで、事前の情報登録により、119番通報や町外の医療機関との連絡に要する時間短縮を図り、迅速な出動態勢を整えることで、出産を控えた妊婦の不安軽減につなげたい考えだ。
制度は、町内に住む妊婦の希望により、氏名、住所、連絡先、出産予定日など母体の状況、受診中の医療機関、担当医などの情報を事前に登録。1人ずつに登録番号が入ったカードを交付する。カードを持つ妊婦から、119番通報を受けた場合は@陣痛や破水など出産の兆候があるA腹部の痛みや出血があるB腹部に強い張りを感じる―などの症状があり、自家用車などの搬送手段がない場合には、事前に登録した自宅などに救急車が出動。かかりつけの産婦人科などに搬送するほか、医療機関にも連絡して受け入れ態勢を整えてもらう。救急車内でも医師などの指示で適切な処置を行うという。
従来から母子に危険が差し迫った場合には救急車による緊急搬送は可能だが、あらかじめ妊婦の情報を把握しておくことで、119番通報や医療機関の確認になど要する時間短縮などが可能になる。担当の柴田直行消防士は「出産を控えた妊婦の不安を少しでも和らげることができれば」としている。
桧山管内では昨年10月、道立江差病院(江差町)の産婦人科が、出産の取り扱いを休止。管内では出産に対応できる医療機関がなくなった。町内では妊婦の届け出が年間40人前後に上るが、いずれも函館市など管外の医療機関で定期健診や出産を行っている。
しかし、急な陣痛や破水、転倒などで腹部を打つなど、緊急に診察や治療が必要な場合、同町から函館市までは60キロ前後の距離があり、車で急いでも1時間以上かかる。このため、桧山管内では「乗用車や救急車で出産した例も少なくない。妊婦の不安は極めて高い状態にある」(関係者)。
同署は、今週から事前登録の受け付けを本格化。町の「母親教室」などでもPRする。同署、町保健福祉課、保健センターで手続きを行う。問い合わせは同署救急係TEL0139・64・3064へ。
提供 - 函館新聞社
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