DV被害者の子ども支援…ウィメンズネット「フワット」設立

update 2008/6/20 14:57

 NPO法人ウィメンズネット函館(古川満寿子理事長)のメンバーがこのほど、配偶者・内縁者間での暴力、ドメスティックバイオレンス(DV)に巻き込まれた子どもを支援するグループ「子どもサポート・ふわっと」(加茂章子代表)を立ち上げた。母親に連れられてシェルター(一時保護施設)に来る子どもが増加している現状を受け、入居中の相談・遊び相手になり、学習指導もする。10月にはシェルターを出た子どもたちが安心して自由に過ごせる「居場所」も開設する。

 年々被害者と一緒にシェルターに駆け込んでくる子どもが増え、同法人はケアの必要性を痛感しながらも、人手不足などの理由で手が回らなかった。昨年度から道や市の主催で始まったDVサポーター養成講座でボランティアの確保が可能になったことなどから、同法人メンバーの加茂代表を中心に発足。グループ名に「子どもたちが無理をせず、『ふわっと』した気分で過ごせる時間を持てたら」という願いを込めた。

 シェルターに入居した子どもは学校に通えず、退去後はほぼ100%転校を余儀なくされる。入居中の学習指導とともに、退去後、心の傷を抱えながら新しい環境になじまなければならない子どもには、よりどころとなる居場所が必要となっている。

 このため、「ふわっと」はシェルターの子どもに勉強を教え、遊び相手になるほか、誕生会などの行事を開催。すべてを捨てて逃げてきた子どもたちに「これはあなたの物」と渡すため、歯ブラシやタオルなどを詰め合わせた「ウェルカムバッグ」も作る。

 シェルターを退去した子どもには、ゲームや工作など好きな遊びができる憩いの広場を月1、2回開設。学生らに呼び掛け、送迎や学習指導、遊び相手などのボランティアを募る。加茂代表は「閉ざされた心が少しでも開き、不安感を和らげる楽しい時間を提供したい」と説明。大人のように自らの被害を語れない子どもも多く、「心のサインを見逃さずにケアしなくては」としている。

 「ふわっと」設立に当たり、個人1口1000円、法人1口2000円の寄付を集めている。寄付は郵便振替で口座番号02760―6―45289、「子どもサポート・ふわっと」へ。

提供 - 函館新聞社



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