07年度DV相談件数…1500件突破 過去最多

update 2008/6/20 14:57

 NPO法人ウィメンズネット函館が受けたDVの相談件数が2007年度、初めて延べ1500件を突破し、シェルターの入居件数と共に過去最多となった。同法人は「社会的なDV問題への意識、ウィメンズネット函館の認知度の高まりも一因」とする一方、「不景気による仕事の不調や借金などに伴うストレスのはけ口が妻子に向かい、DVの引き金にもなっている」とみている。

 相談件数は電話1201件(前年度642件増)、面接466件(同61件増)の計1667件(同703件増)。このうちシェルターの入居件数は51件(同8件増)に上る。被害者の半数以上が幼い子ども連れで、同伴者数も05年度19人、06年度40人、07年度60人と急増している。

 同伴者の増加について、同法人は「(入居した各被害者の)子どもの数が多いのが要因。加害者からの性交渉の強要や避妊拒否で、子どもが多いのもDV家庭の特徴」と説明。被害者は10代から70代までと幅広いが、30代が最も多い。同伴者は乳幼児、小学校低学年の子どもが主で、親を連れて来るケースもある。同伴者といえ、子どももDVを目撃した心の傷を抱えていたり、父親から身体的、性的暴力を受けていたりする場合も少なくないという。

 DVを受け、精神的に不安定な母親が適切な育児をできないケースもある。同法人は「喘息(ぜんそく)や発育不全になるほか、いい子を演じたり、ひどくおびえるなど、子どもに身体的、精神的な症状が現れる」と指摘。「子どもも被害当事者として手厚くケアしていく必要がある」としている。 

提供 - 函館新聞社



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