「平和の火」携え 列島南から北へ…東京の久川、原さん

update 2008/6/20 14:55

 広島の原爆投下の残り火がともる「平和の塔」(福岡県星野村)から分灯された「平和の火」を持ち、福岡県から北海道を目指していた東京在住の久川マイさん(20)と原由梨瑛さん(20)が19日に函館入りし、しらかば薬局ギャラリー(市内中道)で市民に「火」がお披露目された。灯を通じて平和の貴さを実感し、その思いを広く共有しようという試みで、2人は「原爆の正確な事実を知り、その事実を後世はもちろん、今を生きる多くの人たちに伝えていきたい」と話している。

 キャンドルナイトワンピース実行委員会(大阪)が「地球」と「平和」、「同じ火を見詰める世界中の仲間のつながり」を感じようと実施しているイベントの一環で、全国の市民団体などから20人ほどが参加。2人は12日に東京を出発し、14日に平和の塔から灯を受け、全国で活動する仲間たちのつてを頼りに、広島、新潟、青森を経て、フェリーで来函した。

 知人に勧められて気軽な気持ちで参加したという2人は、「“原爆”という言葉は知っていてもどんなことがあったのか分からず、旅を通じて多くの人の憎しみや悲しみなどの思いを実感した」と語る。オリンピックの聖火リレーで使用される「聖火保存灯」で灯を保ち、「絶対に灯は消さないように、肌身離さず持ち歩いている」と原さん。ヒッチハイク生活を通じて、久川さんは「出会った人、一人一人に心から感謝している。“人間の輪”ってこんなに素晴らしいんだと思った」という。

 フェリー乗り場から世話している函館市元町の田畑光信さん(45)は「最後まで応援してあげたい」と話す。2人は20日に札幌へ移動し、市民団体「北海道アースデイ」に灯を引継ぎ、21日の「屈斜路湖のキャンドルナイト」(釧路管内弟子屈町)に参加する。今回の活動を通じて、2人は「お金では買えない時間と出合いがあった。まずは友人たちに原爆の事実を伝えていきたい」と話した。

提供 - 函館新聞社



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