南茅部高 ことしも「逆サマータイム」
update 2008/6/19 21:50
南茅部高校(溜雅幸校長、生徒112人)は地域の基幹産業のコンブ漁が最盛期を迎える7月、生徒の登校時間を30分遅らせる「逆サマータイム」をことしも導入する。早朝から漁を手伝って遅刻したり、授業中に体調を崩す生徒たちに配慮した取り組みで、昨年7月に試行的に実施して効果が確認されたため。同校によると、地域の実情を考慮したこうした措置は道内でも極めて珍しいという。同校は「コンブ作業と学業との両立で、規律ある学校生活を送ってほしい」としている。
7月2日から夏休み前の25日までの間、登校時間を従来の午前8時半から同9時とするほか、午後の作業にも配慮し、1週間程度は授業数を1回減らして5時間授業とする。足りない授業時数は冬休みを1日短縮するなどして調整する。夏季に標準時刻を早める「サマータイム」の逆の措置で、同校が逆サマータイムと名付けた。
全国でも主要のコンブ産地である南茅部地区では、漁の繁忙期には地区住民の多くが作業に協力。同校でも、生徒の9割近くが午前3時ごろからコンブ取りや乾燥作業などを手伝って登校しており、例年7月には作業が原因で遅刻したり、体調不良を訴える生徒が増えていた。
逆サマータイムで昨年7月は遅刻者数平均が4・1人と前年同月の8・3人に比べ半減。保健室利用者数も前年の7・3人から4・5人に減少するなどした。保護者、生徒へのアンケートでも歓迎する意見が多かった。
同校3年の長男がいるコンブ漁を営む熊谷真理子・PTA副会長(41)は「機械化が進んでも人手は足りず、子供がいないと作業は大変。登校時間前の30分は子供にも親にも大きい」とする。
実家のコンブ漁を手伝う2年B組の工藤千尋さん(16)も「学校に間に合うよう自転車で急いで登校していたけれど、少し余裕ができて楽になった」と話している。
ただ、登校時間が遅くなった分、生徒の作業時間が延びたとの意見もあり、同校の根上和也教頭は「生徒が登校前に仮眠したり、余裕を持って自転車通学できるようにとの趣旨の理解を求めていきたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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