早い雪解け…早まる山菜シーズン 遭難どう防ぐ

update 2007/3/25 13:54

 【上ノ国】暖冬の影響で檜山管内南部では、春の山菜シーズン到来も例年になく早まることが予想される。江差署管内では昨年4―6月に6件の遭難事故が発生。上ノ国町では1人が行方不明のままだ。関係機関はシーズン本番に向け、遭難防止に向けたPR活動や対策の検討を本格化させている。

 雪解けが早い桧山南部では“キトビロ”の愛称で親しまれるギョウジャニンニクが芽吹き始めた地域もあり、既に愛好家が入山を始めている。遭難原因のトップ・タケノコも「シーズンは半月ほど早まるのでは」(愛好家)との観測もある。

 同署管内では昨年、4月に厚沢部町でギョウジャニンニク採りの男性が死亡。続いて上ノ国町では、6月8日―19日にタケノコ採りに伴う遭難事故が5件発生。女性が心臓発作で死亡。町内の男性は行方不明のままだ。

 この間、町、警察、消防、自衛隊の捜索人員は延べ800人を超え、捜索費用も数百万円規模に達した。町内では費用の本人負担を求める声も根強いが、町は「人命尊重の観点から困難」と慎重だ。負担がのしかかる町は、シーズン到来を前に、広報紙で遭難防止やマナー向上をPRする2nの特集を組む異例の対応も。

 このうち3件の遭難事故が続いた、湯ノ岱国有林内の「上の沢タケノコ園」は、捜索態勢の不備などが指摘され、昨年はシーズン途中で休園。同園を管理する檜山森林管理署は22日、同町役場で町、警察、消防の3者で再開の是非を話し合う初めての協議会を開いた。

 同園は入山料を徴収して歩道の管理や巡視を行っており、関係機関から管理責任の明確化や遭難策の強化が求められている。同管理署は歩道の再整備や看板・ロープの設置など、再開に向けた対策強化案を提示。一方で全面閉鎖した場合は、昨年の休園期間中に相次いだケースとして@悪質入山者によるゲート破壊A不正入山者と一般愛好家の不公平感―などの問題も生じると指摘した。

 参加者からは「入山届提出の徹底が必要。遭難者の人数把握や身元確認が遅れる」「管理署も最大限の捜索人員を確保してほしい」「捜索開始が夜間になるため閉園時刻を早めるべきだ」などの提案があったという。

 同管理署は「100パーセントの遭難防止は難しい課題。新たな対策で再開に向けた課題をクリアできれば。雪解けも早まっており、開園の是非を早期に判断したい」(星育男次長)と話している。

提供 - 函館新聞社



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