ヨットで太平洋横断の小松夫婦が帰港
update 2008/6/13 12:54
函館市青柳町の小松基衞さん(61)と妻由美子さん(59)が12日、ヨットで米国と日本を往復する太平洋横断を成し遂げ、無事に函館港に帰港した。大海原で風や雨、寒気といった厳しい自然を相手に、夫婦はヨットの「マイウェイ」号で約11カ月かけて、往復約1万8000キロの距離を航行した。夫婦が加盟する南北海道外洋帆走協会(石川彰理事長)のメンバー40人の出迎えを受け、2人は「長年の夢が達成できてうれしい」と笑顔を見せた。
2人はこの日午後1時45分ごろ、函館港に到着。同協会初の“偉業”に、メンバーらは「よくやった」とねぎらいの言葉を掛け、無事の帰還を喜び合った。
基衞さんは元小学校教諭。ヨットで単独太平洋横断に成功した堀江謙一さんの著書「太平洋ひとりぼっち」を高校1年のときに読み、「いつか行ってみたい」と大学でヨットを始めた。15年前から由美子さんも一緒に乗るようになり、定年退職を機に小笠原諸島の父島まで航海し、「この行程を2往復すると思えば、なんとかアメリカまで行けそうだ」と確信した。
昨年7月18日に函館を出港し、47日間掛けてサンフランシスコに到着。南下して米国西海岸の数カ所に寄港し、11月2日から3月29日までハワイ島、オアフ島で冬を乗り切り、航海を再開して4月27日に父島に着いた。
航海は比較的順調だったが、基衞さんは「とんでもないしけに見舞われることはなかったが、寒さと揺れが辛く、晴天で気分がいい日は4分の1ぐらいだった」とする一方、「星がきれいだったこと、一日一日目的地に近づいていくのが楽しかった」と振り返る。食事は圧力鍋で炊いたご飯と魚の缶詰が主。揺れる船内での調理には苦戦したという。長期間の逃げ場のない海上生活だったが、「夫婦で助け合ってきたので普段よりも仲は良かった」と笑い飛ばした。
米国では、2人がヨットでやって来たことを知ると、その場に居合わせた人たちが渡航をたたえ、拍手が起きたという。由美子さんは「皆さんが感動し、親切にしてくれた。この楽しかった時間は一生の宝物」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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