支庁再編、道議会で知事が条例案を提案
update 2008/6/11 19:53
【札幌、江差】第2回定例道議会が10日開会し、高橋はるみ知事が現行14支庁を9総合振興局と5振興局に再編する「総合振興局設置条例案」を提案した。支庁が振興局に格下げされる桧山管内など道内5地域、道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)が再編案に強硬に反対しているほか、道議会でも知事与党の自民党や公明党の一部でも慎重論が根強く、審議の行方が注目される。
条例案では渡島支庁など規模の大きい9支庁を「総合振興局」とし、渡島支庁は「道南総合振興局」となる。総合振興局長には組織編成などの権限を与え、出先機関となる振興局の組織機構を含めて、地域の特殊事情に合った独自部署の設置など柔軟な組織編成を可能とした。
桧山、日高、石狩、根室、留萌の中小5支庁は、出張所に当たる「振興局」に格下げとなり、実質的な支庁廃止となる。3年間程度で段階的に縮小、最終的に職員は4割減とし、5支庁で900人程度の削減となる。道は条例施行から5年間で、地方分権や社会情勢を踏まえて制度の見直しを図る方針としている。
道は都市部と14支庁で区割りしている道議選挙区は現状維持とするが、条例改正に合わせた公選法改正が必要となる。道は法改正を経て2009年度の新体制移行を検討している。
高橋知事は本会議で「広域的観点に立ち、地域振興を推進する体制を整備する」と提案理由を説明。閉会後には、道市議会議長会長の畑瀬幸二・札幌市議会議長、道町村議会議長の川股博・空知管内由仁町議会議長と個別に会談し、道の説明不足を認めた上で改革への理解を求めた。11日には道市長会長の新宮正志・室蘭市長との会談も行う。高橋知事は道町村会を含む地方4団体とのトップ会談を求めているが、道町村会は提案を強行した知事との対決姿勢を深めており、実現は難しい状況だ。
濱谷一治江差町長は「地方との対話をないがしろにする道は、改革案公表からわずか半年で提案に踏み切った。知事の責任が徹底的に追及されるべきだ。可決はあり得ない」としている。同日は民主党北海道代表の鉢呂吉雄衆院議員(道4区)も「改革案は容認できない」とのコメントを発表した。定例会の会期は27日まで。
提供 - 函館新聞社
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