高齢者見守りネットワーク事業立ち上げへ

update 2008/6/7 13:29

 函館市は6月下旬、高齢者の孤立や孤独死防止を目指した「函館市高齢者見守りネットワーク」の立ち上げに向けて動き出す。高齢者の生活を支援する「地域包括支援センター」を軸に、市や社会福祉協議会などが協力。町会や郵便局、事業所など高齢者と接点のある一般市民の協力を得て情報収集する体制を構築する。合同プロジェクトチームを設置して手法などを検討し、10月から各センターごとに選定したモデル町会で検証作業を開始。順調にいけば2009年度からの予算化を目指しており、その後5年間かけて全市規模に拡大したい考え。

 6日に行われた本年度1回目の同市地域包括支援センター運営協議会(齊籐恭平会長、委員10人)で、市福祉部が提案し承認された。同センターは市からの委託で市内6カ所に置かれ、相談業務や介護保険サービスの指導、助言、調整などを行っている。高齢者の孤独死につながる孤立や虐待の予防、認知症対策も兼ねてネットワーク化する。

 構想では、民生委員や在宅福祉委員、町会などからの情報提供で単身高齢者や高齢者夫婦世帯を把握し名簿化し、電気やガス、水道などライフライン関係事業者をはじめ、コンビニエンスストア、郵便局、銀行、商店などに協力を依頼して随時状況を把握する。ここで孤立や虐待、認知症などが認められた場合、ネットワーク会議にかけて対応を検討。支援継続のほか、介護給付や新予防給付などのサービス提供につながる場合もありうる。

 市介護高齢福祉課の中村貢課長は「全く新たな取り組みのため、ネットワーク作りをきちんと検討しなければならない」とし、「まずは協力事業者の理解を得られるよう地道に説明していきたい」と話している。一方で、同運営協議会の委員からは「支援センターは忙しすぎる」「業務がより大変になるのではないか」などの課題も出された。

提供 - 函館新聞社



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