絵本から響く混声合唱 函館メサイア 史実に基に作製

update 2008/6/7 13:28

 音楽文化を中心に函館の地域活性化を目的とした各種活動に取り組む「函館メサイア教育コンサート実行委員会」(委員長・松原仁公立はこだて未来大教授)が、函館が混声合唱の発祥地だったという史実を基にした絵本を作製した。2006年に市民が文をまとめ、市内に住む木版画家の佐藤国男さんが絵を担当した作品。7月には出版を記念したイベントを市芸術ホール(五稜郭町37)で開く予定で、同実行委音楽監督の徳永ふさ子さんは「多くの人に活用してもらえれば」と期待を寄せている。

 作品は、道内の地域文化の継承を目指して道が行っている「伝えたい北海道の物語」コンテストで、06年度の優秀賞に選ばれた「実行寺の小坊主 とっ珍さんはおおいそがし」。1858(安政5)年、函館に着任した初代ロシア領事ゴシケヴィチ一行が市内の実行寺に止宿し、境内に建てた仮聖堂や函館ハリストス正教会で混声合唱を歌う様子を、寺の小坊主の「とっ珍さん」の目を通して描いている。同コンテストの応募作品は道のホームページで紹介されているが、製本化はされていない。

 同実行委は05年に発足して以来、混声合唱発祥の地として特色ある音楽文化を守ろうとヘンデル作曲の「メサイア」などの合唱曲の演奏会やワークショップ、講演会などに取り組んでいる。今回、絵本の内容が「自分たちの活動の原点」として昨秋から製本化を企画し、今年に入ってから準備を本格的に進めてきた。

 絵本はハードカバータイプのA4判(1575円)とA5判(630円)の2種類。「より多くの人に伝えたい」と、文章はすべて英語とロシア語の翻訳文を併記し、1800年代後半の函館の街並みを記す絵図の資料なども加えた。各2000部印刷し、函館市にも寄贈する予定。

 徳永さんは「多くの人や機関の協力があってこそ完成した。函館が日本で初めて混声合唱が響いたまちという史実を多くに知ってほしい」と力を込める。原作文を担当したあまさかゆうさんも「徳永さんたちの熱意に感服。2年前の作品が絵本になり世界に発信されることは非常にうれしい」と喜んでいる。

 絵本は7月21日に同ホールで午後2時から開く「函館メサイア2008」の会場で販売するほか、現在予約を受け付け中。問い合わせは同実行委事務局TEL080・5583・6832。

提供 - 函館新聞社



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